誤字脱字を0にする校正術~信頼されるビジネスパーソンになろう~

上司に誤字脱字が多いことを指摘された経験、ありませんか?
メール、提案書、見積書、注文書...。ビジネスの場面では文章を書く場面が多くありますよね。そのひとつひとつが人に見られており、あなた自身、ひいては企業の信頼につながっています。多くの人がおろそかにしがちな文章の「校正」ですが、その役割は非常に大きいのです。
今回は、誤字脱字をしやすい場面と、ビジネスで有効な「校正」の方法をご紹介いたします。
誤字脱字で失う信頼
◎ あなたの信頼/会社の信頼
誤字脱字とは、思い込みや書き違いによるヒューマンエラー、つまり「ミス」です。誤字脱字のタイプは、大きく次の3つに分けることができます。
- ①タイプミス
- ②変換ミス
- ③誤認識
①タイプミス と②変換ミス は、急いでいたり、油断して確認が甘くなっていたりすると発生していまいます。③誤認識 はそもそも覚え間違いをしていたり、過去の記憶などによって状況を判断してしまったりすることが原因で発生します。
誤字脱字は起こる頻度が高く、「まあよくある」と看過されてしまいがちなミスのひとつですが、ビジネスにおけるその影響は意外と大きいのです。では、実際どのような影響があるのでしょうか?
例えば、あなたが送ったメールにたくさんの誤字脱字があったとしましょう。それが社内宛であった場合、上司は「このメールをお客様にも送っていたらどうしようか」と不安に感じてしまいます。
また、お客様に送った場合には、お客様も「この人に任せて大丈夫かな」という不安や「確認をしていないなんて気を遣えない人だろうな」という不信感を抱きます。さらに、それを許している上司、会社にまでその不安や不信感は広がっていきます。
ビジネスで重要なのは小さな信頼の積み重ねです。積むのは難しく、崩すのは簡単な信頼。あなたの会社の中での信頼、お客様からの信頼、そして会社の信頼をなくさないためにも、どこで誤字脱字が起こっているのかをまず知りましょう!
◎ どこでやっちゃってる?誤字脱字
誤字脱字が発生しやすい場面を下にまとめました。メール、提案書、企画書、見積書、注文書など、それぞれの文書で注目すべきポイントをおさえてくださいね。
- メールの場合...宛名(会社名、氏名)、日程 など
- 提案書、企画書の場合...利益や収支計画、スケジュール など
- 注文書、見積書...宛名(会社名、氏名)、価格等の数字 など
人に見られる書類での誤字脱字は非常に不信感につながりやすいものです。特に、名前や数字のミスは致命的で、一気に信頼をなくしてしまいます。0がひとつ多いような見積書を書くような人を、信頼することはできないですよね。
「校正」それはデキるビジネスパーソンの技
さて、ここまで誤字脱字についてお話してきました。では、実際に誤字脱字をなくすためにはどうすれば良いのでしょうか?ここから「校正」についてご紹介します。
「校正」を簡単に説明すると、「文書に誤りや不備がないかをチェックし、あれば修正すること」を意味します。
似た言葉に「推敲」という言葉がありますが、これは「文章を良くしようと何度も吟味して練り直すこと」を意味します。文章の内容を良くする推敲も、ビジネスパーソンに必要な技ではありますが、ミスをなくしていくためには第一に「校正」が重要ですね。
信頼を勝ち取る「校正術」
誤字脱字をなくし信頼を勝ち得るため、以下の5つの校正術を習得しましょう!
①誤字脱字しないよう意識する
誤字脱字には「タイプミス」「変換ミス」「誤認識」という3つのタイプがあるとお伝えしました。この中で「タイプミス」と「変換ミス」は、急いでいるときや油断しているときに発生しやすいミスでしたね。意識的に文書を書くだけでもミスするかどうかは大きく変わります。
まずは、文書を作成する際に誤字脱字をしないよう意識することから始めましょう。
②印刷してみる
光の見え方の関係で、パソコンの画面よりも紙のほうが誤字脱字を見つけやすいことが明らかとなっています。絶対に間違えたくない!そんな文書は必ず印刷してから読み直してみましょう。
③声に出して読んでみる
文章をそのまま声に出して読んでみることも、有効な校正の方法です。読むときに「ゆっくり」と「意味を理解しながら」読むようにすると、間違いに気づきやすくなりますよ。
④時間をおいてチェックしてみる
エビングハウスの忘却曲線によると、人間は学んだ情報の74%を次の日には忘れてしまいます。大事な文書は、次の日にもう一度確認すると、新しい気持ちで資料をみることができるので、正確にチェックすることができますね。
⑤ダブルチェックをしてもらう
ダブルチェックもちろん非常に有効な手段です。セルフチェックが終わったら、ぜひ他の人にも読んでもらいましょう。
【番外編】誤認識についてもっと知ろう
誤認識の中身を分解してみると、「そもそも言葉を覚え間違っている」と「文法が間違っている」の2つの要素があります。後者の、文法のミスで多いのは「ら抜き言葉のミス」と「補助動詞のミス」です。間違いやすいミスを少しだけご紹介します。
- ・ら抜き言葉
-
- 「考えれない」× →「考えられない」◯
- 「食べれない」× →「食べられない」◯
- ・補助動詞
-
- 「お願い致します」× →「お願いいたします」◯
- 「させて頂きます」× →「させていただきます」◯
- 「させて下さい」× →「させてください」◯
気にならない人は気にならないけど、気になる人はとても気になってしまうこれらの言葉。ぜひら抜き言葉や補助動詞も、意識してみてください。
さいごに
誤字脱字がビジネスに与える影響の大きさと、校正の重要さについてご理解いただけましたか?今回ご紹介した校正の方法はお手軽なものばかりですが、この5つの校正術を実践するだけでも誤字脱字は格段に減ることでしょう。
あなたも、今返そうとしているメールや提出前の提案書のセルフチェック、してみませんか?