トップ営業はここが違う!価格交渉にならない営業とは
商談によっては、お客様から製品/サービスの値引きをお願いされることはありませんか?
1つあたりの単価を安くする場合と、複数購入や長期間契約で合計価格を少し安くする場合など、さまざまな値引きのパターンがあると思います。
営業のあなたは、値引きをお願いされると、
- 「単価が少し安くなったとしても、複数購入してくれるなら目標件数は達成だな」
- 「値引いてしまうと上司に怒られそうだな」
などと、いろいろと考えて悩むことがあるかもしれませんね。
今回は、価格交渉にならないような営業の仕方と、価格交渉になったときに気をつけたいポイントを見て、むやみやたらに値引かないトップ営業を目指しましょう!
なぜ値引きをしてくるのだろう?
そもそもお客様はなぜ値引きをしてくるのでしょうか?お客様の心理を分析してみると、3つの心理を予測することができます。
- ① 気軽な気持ちでちょっと言ってみた
製品/サービスに対する価値や魅力を十分に感じていて、予算も足りている状態だが、出来ればより安く買いたい、と考えるお客様がいます。値引きをお願いしてきたお客様が、気軽に言ってみただけかどうかは、言い方やヒアリング内容から推測できると思います。
⇒ この場合のお客様であれば、値引きをする必要はあまりない、ということを念頭に置いてください。
- ② 予算が足りないので、安くなれば契約したいのにと考えた
製品/サービスに対する価値や魅力を十分に感じているが、予算が足りていない状態です。この場合、どうしても予算を確保することができないのかを確認し、お客様で予算確保が難しいなら値引きをしない限り、契約にはならないでしょう。
⇒ 値引きを検討してもよいかもしれません。
- ③ 価格にしては価値が少ないと感じた
予算は足りているが、製品/サービスに対する価値がお客様の望むレベルに達していない状態です。この場合は、製品/サービスの魅力が十分に伝わる説明が出来ていない、もしくは、どうしてもあなたの製品/サービスがお客様に合っていない可能性があります。
⇒ 再度価値を理解してもらうために説明する機会を設ける必要がありますね。その上で、価値や魅力を感じてもらえないのであれば、値引きよりも、製品/サービスの一部提供や契約見送りを選んだ方がお互いのためになるでしょう。
今一度確認したい、値引きをするメリットとデメリット
値引きをしてくるお客様の心理が理解できたところで、値引きをするメリットとデメリットを考えてみましょう。
- ① メリット
-
- ・値引きをしないと獲得できないお客様に契約してもらえる
- ・価格交渉に応じたことにより、お客様との信頼関係を築くことができる
- ・粗利率のよい製品/サービスであれば、値引きをしても売上や利益が確保できる
- ② デメリット
-
- ・製品/サービスによっては、利益を担保できない
- ・値引きをしたという前例を作ってしまう
- ・正当な価格で契約したお客様の信頼を落とす可能性がある
値引きをすることのメリットも大きいと感じるかもしれませんが、一人で判断できない場合は一度持ち帰って上司に相談するのが無難ですね。くれぐれも一回の値引きだからと甘く見ずに、会社の方針にも影響することを頭の片隅に置いてください。
価格交渉にならないための3つのコツ
値引きのメリット・デメリットを理解できると、極力価格交渉はしたくないと感じる人が多いのではないでしょうか。そこで、価格交渉を避けることができるかもしれない3つの考え方をお伝えします。
- ① 製品/サービスの価値や魅力を理解してもらう
- お客様が値引きをしてほしいと言う前に、まずはあなたの製品/サービスの価値や魅力を理解してもらいましょう。説明する際には、どのお客様にも当てはまるメリットの伝え方ではなく、相手が抱えている課題をヒアリングしたうえで、あなたの製品/サービスであればその課題が解決できるということを説明してください。
課題解決だけではなく、その先の大きなメリットや費用対効果なども伝え、納得してもらうことができれば、予算が全くないお客様以外は、そのままの価格で契約してもらえるでしょう。 - ② 正規価格を提示するときに
- 次に製品/サービスの価格の伝え方を工夫してみましょう。「もし導入するとしたら、このくらいの価格であれば、ご検討いただけますか?」というように、「仮に導入するなら」というもしも話として聞いてみるのです。
いきなり「この価格で契約できますか?」などとストレートに聞かれるよりも、お客様の心理的な負担やハードルをぐっと下げることができるでしょう。 - ③ 「うーん、高いなぁ」と言われたら
- ②のもしも話での価格に対して、お客様から「うーん、高いなぁ」などのネガティブな反応が返ってきたら、「そうですよね、参考までにお伺いしてよかったです。」と、一度相手の反応を受け止めましょう。
そして、「話は戻りますが、弊社の製品/サービスであれば◯◯という課題を解決でき、将来△△という大きなメリットを受けることができます」と、価格ではなくて費用対効果の話に持っていくなどして、別の観点からアプローチしてみましょう。
「それでも値引き交渉になってしまうんですよ...」
さて、価格交渉を避ける方法を3つご紹介しましたが、それでも価格交渉になるケースが多いと思います。もちろん、お客様の予算やその他の状況によっては、契約したいけどどうしても価格が下がらないと無理な場合もあるでしょう。価格交渉になってしまったとき、あなたが意識すべきことはたったの2つです。
- 1. 明確な最低ラインを社内で確認しましょう
- お客様の予算を気にかけることも大切なことですが、あなたの会社の売上目標や原価にも注目してください。ついその場の勢いで「値下げできます!」と答えてしまってから、売上に対して利益が少ない契約だったと気付くような失敗を避けるためです。あなたの一言で価格交渉が決まることは少ないとは思いますが、社内で値下げをしてもよい最低の価格を確認してから伝えるようにしましょう。
- 2. お客様には「価格交渉に前向き」な姿勢を見せましょう
- 価格交渉中は、お客様に対して「社内で必死に交渉している」という姿勢で対応してください。
値引きをすると売上が下がってしまう可能性があり、交渉中は社内からは値引きに前向きでない声が聞こえてくるかもしれません。そうすると、営業パーソンはどうしても価格交渉に対してネガティブな姿勢になりがちです。
しかし、予算がないお客様であっても契約してメリットを体感してもらうには、営業パーソンが一生懸命前向きに頑張るしかありません。嫌々ではなく前向きに検討してくれていることがお客様に伝わると、値引きの許可が下りなかった場合でも、社内の評価に左右されずに対応してくれるあなたの姿にお客様も胸を打たれ、より強固な信頼関係を築くことができるはずです。
信頼関係ができれば、他の製品/サービスの契約にも繋がるかもしれませんね。
ただ、どうしても価格交渉ができず断らなければならないときもあると思います。その際は、興味をも持ってもらっていたのに、力不足で対応できなかったことを申し訳なく思いながら、「会社の都合で、どうしても難しかったです」「社内で熟考しましたが、こちらも厳しくて応えることが難しいです」などと伝えてください。
さいごに
いかがでしたでしょうか。価格交渉をしてくるお客様は一定数いると思います。
「値引きをしてほしい」という発言には、さまざまな意図があります。気軽に言ってみただけなのか、価格にしては価値が少ないと感じているのか、お客様の状況を踏まえて見極めることが大切です。
また、価格交渉にならないための3つのコツを参考しながら、冷静にお客様の状況を見極め、商談を進めていってください。双方にとって長期的によい付き合いができるように、うまく価格交渉の壁を乗り越えてくださいね!
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