役職順に掲載!一般的な名刺の肩書一覧。つける際の注意点も

名刺には、会社名や住所のほかに「肩書」が記載されていることがほとんどです。交換した名刺の肩書を見ると、一人は「ゼネラルマネージャー」、もう一人は「次長」との記載。「一体どっちが偉いんだ!?」と思ったことのある方も多いのではないでしょうか。最近は、「CEO」や「CTO」といった英語の肩書も耳にするようになり、もはやその肩書が何を指しているのか理解するのも大変です。
そこで今回は、肩書や役職の一般的な順位と、自身の名刺を作成する際に肩書を記載する際のポイントについて解説します。
肩書とは?正しく理解しよう
そもそも肩書や役職とは、仕事におけるさまざまな責任や職権を伴ったポジションのことです。「部長」であれば組織内の部署・部門を統括するという役割があり、「主任」であれば社員の中の熟練者で後輩の指導にあたるという責任を負っています。
かつては「部長」「課長」「係長」といったスタンダードな役職名が一般的でしたが、近年では役職名の自由度が増したことで、「マネージャー」「フェロー」「CEO」といったカタカナや英語の役職名も増えてきています。
業界や企業によって、肩書に与えられる役割は異なることが大半ですが、序列は基本的にどこも同じです。肩書を正しく理解することで、決裁権により近い立場の人を判断できるようになり、交渉や商談も行いやすくなるのです。
見慣れない肩書に直面しても、直接相手にどちらが偉いのかを聞くことなどできません。だからこそ、事前に肩書の順位を理解しておき、取引相手のおおよその立場を把握できるようにしましょう。
肩書を記載する目的
ここでは、名刺に肩書や役職を記載する目的について解説します。
・役割が明確になる
肩書や役職が記載されていることで、自分の仕事内容について相手に伝えることができます。大きな企業ほど社内での分業化が進み、部署だけでなく肩書も多岐にわたります。
そこで自分がどのような役割を担っているのか、相手に明確に伝えるためにも肩書を記載する必要があるのです。
・信頼度が増す
肩書や役職の記載は、自身の社内での立ち位置を伝えることができます。一定の権限を与えられた立場であると認識してもらうことで、取引先からの信用を高めることにもつながるのです。
またトラブルや商談など、ビジネスの重要な場面で肩書のある人物が同行することは、会社として誠意を見せる意味合いを持つため、肩書の記載は重要であるといえます。
名刺の一般的な表記方法
名刺には、社名、住所、氏名のほかに職種や役職、資格などを記載します。ここでは、一般的な名刺の表記方法について見ていきましょう。
所属部署
まずは、自身の職種についてです。
営業部や総務部など、自身が所属する部署名を記載することで、社内での役割が明確になります。また部署以外にも、どのような職務についているのか業種や担当業務を記載するのも良いでしょう。
肩書・役職
次に、自身がどのような立ち位置であるか明確にする役職や肩書を記載します。複数の役職がある場合には、基本的には全て記載しますが、あまり多い場合には必要最低限に絞って記載しましょう。
いくつもの役職が記載されていると、相手にどのような仕事をしているのか伝わりにくくなってしまうこともあります。名刺に記載した役職以外も記載したい場合は、役職ごとに名刺を複数作るのが良いでしょう。
資格
取得している資格を活かした仕事の場合、資格名を記載することで信頼性や専門性をアピールすることができます。資格名だけでは相手にどのような資格かわからないこともあるため、具体的な仕事内容などを補足して記載することがポイントです。
肩書の順位一覧
肩書を正しく把握していないと、取引先の相手に不愉快な思いをさせてしまうかもしれません。そこでここでは、肩書の一般的な順位を解説していきます。この機会に、肩書の名前と序列を覚えてくださいね。
役職名 | 職務・職責 |
---|---|
取締役会長
近い役職名の例:相談役、顧問、理事長 |
組織の代表としての責任者 |
代表取締役
近い役職名の例:社長、代表取締役社長、 取締役社長、頭取、最高経営責任者、事務次官など |
株式会社の代表権を持つ取締役 |
取締役
近い役職名の例:副社長、専務取締役、 常務取締役、役員、総括審議官など |
代表権は持たないが、企業運営の責任・権限を持つ役員 |
執行役員
近い役職名の例:上席執行役員 |
取締役の指揮下で業務執行に対する責任・権限を持つ役員 |
部長
近い役職名の例:本部長、副部長、次長、 支店長、ゼネラルマネージャー、シニアマネージャーなど |
企業内の部署やグループなどの組織を統括し、管理する管理職 |
課長
近い役職名の例:室長、課長代理、課長補佐、 マネージャー、チーフマネージャー、審議官、参事官など |
企業内の課やグループなどの組織を監督し、管理する中堅幹部 |
係長
近い役職名の例:班長、リーダー、主査など |
企業内の係やグループなどの組織を管理する役職 |
主任
近い役職名の例:チーフ、サブリーダー、 アシスタントマネージャー、主事など |
企業内の熟練者で、部下や後輩の指導を行う役割 |
企業によってどの役職が存在するかは様々で、独自の役職名を用いているところもあります。ベンチャー企業や小規模な企業の場合であれば、社員全員に役職が与えられているというケースも存在します。役職を見る際は、会社の規模や業界を考慮することで、より正確な序列を把握することができるでしょう。
英語の役職の意味は?
海外で一般的に使われる「CEO」「CTO」といった役職名。一見どれも同じように見え、混乱してしまいがちですが、英語で内容を理解するとイメージしやすくなるでしょう。
役職名(日本語訳) | 職務・職責 |
---|---|
CEO Chief Executive Officer (最高経営責任者) |
会社の経営方針を決定し、最終責任を負う執行役員のトップ |
COO Chief Operating Officer (最高執行責任者) |
CEOの決定を実行する責任者 |
CAO Chief Administrative Officer (最高総務責任者) |
総務や経理などの管理部門を統括する責任者 |
CFO Chief Financial Officer (最高財務責任者) |
財務に関する業務執行を統括する責任者 |
CSO Chief Strategy Officer (最高戦略責任者) |
経営戦略やグループ企業の事業戦略を監督する責任者 |
CLO Chief Legal Officer (最高法務責任者) |
決する法務の責任者 |
CIO Chief Information Officer (最高情報責任者) |
情報管理や情報システム戦略の執行責任者 |
CTO Chief Technology Officer (最高技術責任者) |
研究開発や技術推進の監督、戦略を実行する責任者 |
CISO Chief Information Security Officer (最高情報セキュリティ責任者) |
企業の情報セキュリティ対策の責任者 |
CHO Chief Human Resource Officer (最高人事責任者) |
経営幹部として人事部門を統括する責任者 |
CPO Chief Production Officer (最高生産管理責任者) |
企業の受注状況や生産能力、在庫管理など生産に関する責任者 |
CSO Chief Safety Officer (最高安全管理責任者) |
企業の安全や衛生を管理する責任者 |
肩書を付ける際の注意点
肩書の中には、法律で使用が制限されているものもあります。例えば、経営者を示す「代表取締役」や「取締役」は、株式会社のみ使用することができる肩書です。また「業務執行社員」や「代表社員」は合同会社、「理事」や「代表理事」は一般社団法人での使用と定められています。
肩書を付ける際には、誤って使用しないよう注意が必要です。
役職を理解すると仕事がスムーズになる!
企業によって使われる肩書も役職名も微妙に異なるため、完全に理解することは難しいかもしれませんが、一般的な序列さえ把握しておけば問題ありません。肩書を理解しておくことで、最終的に取引先や交渉相手の誰を説得すべきかが把握しやすくなり、仕事をスムーズに進めることができるようになるというメリットもあります。
さいごに
企業ではこれほどたくさんの役職の人々が、自身の責任を全うして連携しながら仕事に取り組んでいると考えると、何ともすごい話だと感じますよね。取引先や営業先の担当者に失礼がないよう、肩書や役職名の序列をしっかり把握した上で、有利に仕事を進められるようにしましょう。