応酬話法の活用で成約率を上げる!

営業トークが苦手で、商談をスムーズに進められずに成約につながらない・・・と悩んでいる営業担当者も多いのではないでしょうか。
そこで苦手意識をなくすために、身に着けたいのが応酬話法です。このテクニックを取り入れることで、これまで苦戦していた切り返しをスムーズに行えるようになります。
そこでこの記事では、商談で活用できる8つの話法と、商談のシーン別活用法について解説していきます。
応酬話法とは
応酬話法とは、商談時などのセールストークで活用できる営業テクニックの1つです。顧客からの質問や、断りに対しての切り返しをする話法で、活用することで、会話をスムーズに進めやすくなります。
8つの応酬話法
まずは、商談時に活用できる8つの応酬話法について例文と合わせてご紹介します。
1.質問話法
質問話法は、顧客に質問していき顧客の抱える課題や、ニーズを探っていく話法です。
ニーズが明らかになることで、会話が進めやすくなります。
また、質問に対しての回答をあらかじめ予測し、事前にFAQを作成しておくことでよりスムーズに対応することができます。
- 質問話法の例
- 「なるほど。では〇〇ということでしょうか?」「どうして〇〇とお考えなのですか?」
2.聞き流し話法
聞き流し話法とは、顧客から否定的な意見などに対して、一旦別の話をはさむ等して話題を変える話法です。
別の話題でクールダウンしたところで、切り出して話を戻します。そうすることで無駄な押し問答の時間を短縮し、商談が進めやすくなります。
- 聞き流し話法の例
- 「......ところで、〇〇ですが」「ところで先ほどの件ですが」
3.ブーメラン話法
ブーメラン話法は、顧客の否定的な主張に対して「だからこそ」のように、プラスに転換する話法です。
例えば、商品の金額に対して否定的であれば、金額に見合った品質であると切り返すことができます。
- ブーメラン話法の例
- 「だからこそ〇〇ですよね」「そういった方にこそ〇〇はおすすめです」
4.Yesbut話法
Yes but話法は、まずは顧客の意見に対して肯定し、意見をしっかりと受け止めてから反論する話法です。
最初から自分の意見を否定されることは、相手の気分を悪くしかねません。YESとなる「そうですね」や「わかります」などで肯定したあとに、「ですがこういったメリットもあります」のようにBUTで続けることで、顧客も話を聞き入れやすくなります。
- Yesbut話法の例
- 「おっしゃる通りです。しかし...」「たしかにそうですね。ただ...」
5.Yesand話法
Yes and話法は、まずは顧客の意見を肯定したうえで、さらにこちらの意見も伝える話法です。
「それであれば」「したがって」など反発が生まれにくい言葉を使うことによってYes but法よりも柔らかい印象を与えることができます。
- Yesand話法の例
- 「おっしゃる通りです。それであれば...」「そうですね。では...」
6.否定話法
否定話法は、顧客の意見を否定する話法です。
商談がある程度進み、顧客が疑問に思っていることや、不安要素を解消してあげるために活用するのが効果的です。
- 否定話法の例
- 「そのことでしたら心配ありません」「そんなことはございません」
7.資料転換話法
質問転換話法は、口頭だけでは伝わりにくい内容の時に、資料を活用しながら商談を進める話法です。
資料を見せることで顧客の理解度を深めることができます。また会話に行き詰った際にも、資料やデータを見てもらうことで会話を進めるきっかけを作ることもできます。
- 資料転換話法の例
- 「こちらの資料をご覧ください」「では資料でご説明します」
8.例話法
例話法は、例え話を使ってトークを展開していきます。
具体的な例え話は、顧客に商品購入後の想像をしてもらうことができ、購入への後押しとなります。これまでの取引実績を紹介することで安心感につながり、同業他社の導入事例などの紹介は、購買意欲を高めることができます。
- 例話法の例
- 「例えば、〇〇社様では...をご利用いただいております」「もし購入された場合...」
商談のフェーズに合わせた活用法
商談の中にはいくつかのフェーズがあり、そのフェーズごとに応酬話法を使い分けることで、効果的に活用することができます。ここでは、これまでにご紹介した応酬話法を、活用できるフェーズと合わせてご紹介します。
ヒアリング
商談の序盤は、顧客の抱える課題や、ニーズをヒアリングすることから始めます。
このフェーズで主に活用できる話法は「質問話法」や、「聞き流し話法」があります。質問話法を活用することで、顧客に質問を投げかけながらニーズを探っていくことができます。
提案
顧客のニーズを理解することができたら、次にニーズに合わせ自社商品の提案を行います。
このフェーズで主に活用できる話法は「ブーメラン話法」「Yesbut話法」「Yesand話法」「否定話法」があります。顧客の主張を受け入れながら、こちらの意見や商品のメリットを伝えていくと効果的です。
クロージング
商談の最終フェーズであるクロージングでは、成約へとつなげるため、より商品への理解を深めてもらい決断してもらう必要があります。
そこで活用できるのが「資料転換話法」「例話法」です。顧客が感じる疑問に寄り添い、不安要素を解消していくことで成約へとつなげます。
成約率を上げるポイント
最後に、商談の成約率を上げるために、意識しておきたいポイントについて解説していきます。
商談前に応酬話法を入れ込んだFAQを作成
商談を行う際には、事前に応酬話法を入れ込んだFAQを作成しておくことが重要です。顧客の質問や意見にはさまざまなパターンがあり、そのパターンに応じたFAQを作成しておきましょう。また、顧客のネガティブな発言に対する切り返しトークなども想定し、準備しておくことで、商談がより進めやすくなります。
事前に準備したシナリオ通りに商談を進めることができれば、成約率の向上につながります。そのためにも、さまざまなパターンに対応できるFAQの作成を心がけましょう。
人間心理に寄り添ったトーク
販売心理学に基いた商談を行うことも、成約率を向上させる1つのポイントです。
顧客が商品の購入を決断する背景には、必ず心の動きがあります。顧客の気持ちに寄り添い、商品に対する不安要素や疑問点を解消し、買わない理由を取り除くことができれば「購入する」という行動を取りやすくなります。
こうした心の動きを押さえた商談を行うことで成約率を高めることができるのです。
まとめ
苦手に感じていた営業トークも、ご紹介した応酬話法を身に着けることで、スムーズに商談を進めることができるようになります。全てを覚えて活用するのは難しい為、まずは事前に応酬話法を取り入れたFAQを作成し、商談に活用してみてはいかがでしょうか。