名寄せとは?実施するメリットや手順を分かりやすく解説!

自社にある膨大な顧客データは、様々な営業活動で活用することができます。しかし、これらのデータを効果的に活用するためには、「名寄せ」作業を行う必要があるのです。
この記事では、名寄せを行うことで得られるメリットや、名寄せのプロセス、さらに名寄せツールの活用について解説していきます。
名寄せとは
名寄せとは、データベースに重複して存在するデータを、名前や住所、電話番号などの情報をもとにして同一人物や同一企業のデータとして1つにまとめることです。
例えば、同じ人の情報を複数登録してしまったり、異動などにより肩書が変わった際にも、名寄せを行えば同一人物の情報として整理することができます。
名寄せを行うメリット
名寄せで整理されたデータを活用すれば、それぞれの顧客に合わせた適切なアプローチを行うことができ、営業活動の効率化につながるというメリットがあります。
反対に、企業情報が重複しているなど名寄せされていないデータを使っての営業活動は、同じ企業に何度もメールやテレアポを行ってしまったり、複数の担当者が別々にアポ取りを行ってしまうなどのミスが発生する可能性があります。
このようなミスは、相手企業にとって迷惑になるだけでなく、自社の信頼を失うことにもなり兼ねません。そこで、営業活動を行う前に名寄せを行うことでこのようなミスを防ぎ、業務の効率化を図ることができるのです。
名寄せを実施する4つのプロセス
名寄せを実施する方法は2つあり、ツールを活用する方法と手作業で行う方法があります。ここでは、手作業で名寄せを行う際のプロセスについて解説していきます。
1.データの調査
まずは、現状のデータを調査し、把握することから始めます。最終的にどのような項目でリスト化するのが良いか、データのまとめ方について方針を定めておきましょう。
この時、名寄せを行う目的を明確にしておくことで、より使いやすく精度の高いリストにすることができます。
2.データ抽出
データ上から、名寄せするために必要な項目を洗い出し、データの抽出を行います。
また複数のデータをまとめる場合、同一情報であっても項目名や入力形式が異なる場合があります。例えば、「名前」や「氏名」といったように項目名が異なる場合には、どちらの形式で抽出するか定めておきましょう。
3.データクレンジング
次にデータのクレンジングを行います。クレンジングとは、重複や表記ゆれを見つけ、修正や削除を行うことです。表記ゆれとは、同音・同義の語句について異なる文字表記となることです。
例えば、「斉藤」や「斎藤」というように旧字体が混在していたり、「株式会社」と「(株)」、全角と半角、といった同じ意味の言葉に対して、2通り以上の書き方が混在することを指します。
特に表記ゆれはコンピューターが同一情報と判断できないことが多いため、ここで統一する必要があります。データクレンジングを行うことで、データを適切に整理し、データの質を向上させることができます。
4.データのマッチング
全てのデータが整理できたら、最後に同一人物と判断された情報をまとめるマッチングを行います。まとめたいデータごとに同じIDを付与することで、重複データを取り除くことができます。マッチングされたデータは、同じ種類・属性として特定することも可能になります。
名寄せには専用ツールの活用がおすすめ
名寄せを行うためのプロセスについて解説しましたが、手作業で精度の高い名寄せをすることは容易ではありません。Excelを使って名寄せを行うことも可能ですが、名寄せツールを活用することで、より作業を簡略化・効率化することが可能です。
ここでは、ツールを活用して名寄せを行うメリットについて解説していきます。
ツール活用のメリット①作業時間の短縮
名寄せプロセスの1つであるデータクレンジングは、重複や表記ゆれを見つけ出し修正や削除を行います。しかし、表記ゆれは見た目にはそれほど大きな違いがないため、目視で確認することが難しく、これらを手作業で行うには膨大な作業時間や労力が必要となります。
ツールを活用することで、これらの作業を自動化することができ、作業時間や工数の削減につながります。
ツール活用のメリット②精度の向上
ツールの活用により、これまで手作業で行っていた業務が自動化されるため、より正確なデータを抽出することが可能となります。またAIによる機械学習機能を搭載していれば、使うごとにデータの精度の向上が見込めます。
効率的なマーケティング活動を行うためには、精度の高いデータが必要となり、精度を向上させるためにもツールの活用がおすすめです。
まとめ:名寄せでデータ活用を効率化しよう
名寄せの概要について解説しました。自社の顧客データが少ない場合は、Excelを使って名寄せ作業を行う企業もありますが、データ数が膨大な場合、Excelでの作業は多くの労力や時間を要します。専用ツールを活用すれば、作業を簡略化し短期間で自社の顧客情報の全体像を把握することも可能です。
正確な顧客情報が無ければ、企業の営業/マーケティング活動は成り立ちません。企業の重要資産である顧客情報を有効活用するためにも、名寄せに挑戦してみてはいかがでしょうか。