マーケティングオートメーションの日本とアメリカでの違いは?認知度や目的を紹介
Webマーケティングの領域では、新たなトレンドや技術の多くがアメリカで生まれていて、今日本で話題になっているマーケティングオートメーション(MA)もその中のひとつです。現在アメリカでは当たり前のように活用されているマーケティングオートメーションツールも、日本ではまだ目立った成功事例はありません。この記事では日米のマーケティングオートメーション調査の比較を通じて、マーケティングオートメーションへの意識や実際の取り組みの違いについてご紹介します。
実施中のマーケティング施策
まずは、今後取り組みたい施策からマーケティングオートメーションへの意識について見ていきましょう。
出典:株式会社シャノン調べ 2014年度「国内BtoBマーケティングの現状と課題」レポート
http://www.shanon.co.jp/corporation/news/2015/02/btob-4kpi.html
出典:Autopilot社 AutopilotMarketing Automation Performance Report
米Autopilot社のレポートによると、「2015年に力を入れたいマーケティング施策」という質問に対して、調査対象者のうち13%が「マーケティングオートメーション」と答えました。それに対し、株式会社シャノンのレポートによると、「マーケティングオートメーション」という回答は入っておらず、日本ではまだ積極的な導入には至っていないことが見て取れます。
両国のレポートを見ると、その他のマーケティング手段にも違いがあります。日本では展示会やセミナー等のリアルな施策が上位にあがるのに対し、アメリカではホームページやSEO等、Webの施策が上位にあがっています。
マーケティングオートメーションの認知度
次に、マーケティングオートメーションの認知度について比較してみましょう。
参考:
・NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
「マーケティング・オートメーション」に関する調査結果
・Regalix社 State of B2B Marketing Automation 2015
NTTコムリサーチ社が行われた「マーケティングオートメーションに関する調査」の結果によると、日本でMAの認知度は約45%なのに対し、米Regalix Research社のレポートによると、アメリカではMAの認知度が79%に至っています。多くの企業は既に3年以上MAを導入し、メール配信、キャンペーンマネジメント、リードセグメンテーションやLP作成等、MAツールの様々な機能を活用しています。
マーケティングオートメーションの目的
日本とアメリカでは、マーケティングオートメーションの目的にも違いがあります。
日本企業にとって、MAのメリットの中で一番魅力に感じられる点はマーケティング業務の効率化です。その理由は、日本の多くのBtoB企業が、手間やコストがかかるマーケティングにリソースを割けないことがまだ課題だと考えられるからです。従って、MAツールを導入することによって、マーケティング活動の効率化を進めることが期待されています。
一方アメリカの場合は、マーケティング業務の効率化に加え、見込み客の獲得と管理も重視されています。アメリカの企業にとって、マーケティング活動は売るための施策全般であり、見込み客創出の活動は様々な施策で取り組んでいます。多くのリードを獲得するだけではなく、獲得したリードをセグメントごとに管理し、それぞれに最適なアクションを起こすことにMAツールを活用しています。
マーケティングオートメーションツールを提供している企業名の知名度
最後に、各MAツールベンダーの知名度を比較します。
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の「マーケティングオートメーション」に関する調査結果によると、日本で一番多く知られているMAツールを提供している企業は、Salesforce Marketing Cloudです。その他にもオラクル、IBM、アドビなど大手の外資企業が日本の中での知名度が高いです。
一方、アメリカでは大手企業より、ハブスポットやマルケト等のMAツールを専門に開発している会社のほうが知名度が高いです。今後日本でのマーケティングオートメーションの普及と、国内外のツールの台頭によって、日本での知名度やシェアも大きく変化していくと想定されます。
今後の傾向
アメリカでは、MAツールを導入している企業は導入していない企業と比べて2倍のリードを獲得し、マーケティング活動の効率化も2倍できているという実績があります。
そのため、6割を超える企業で「1年以内にマーケティングオートメーションの予算を昨年度より増加する予定」であり、MAツールはより活用されていくことが想定されます。
日本でもマーケティングオートメーション市場が盛り上がっていくことが想定されています。顧客購買活動の変化や市場の縮小により新規顧客開拓が必要とされている今、安価で高効率化が図れるMAツールは、新たなマーケティング施策のひとつとして注目されています。