展示会のメリットとは?出展する5つの効果と成功のポイント

BtoBのビジネスにおいても、Webでのリード獲得やマーケティング活動が一般的になってきている昨今ですが、依然としてオフラインでの施策を活用・検討している企業も少なくありません。数ある施策の中でも、特に展示会出展を検討している方も多いのではないでしょうか。
今回は展示会出展をするメリットについていくつかご紹介します。
- ▼この記事でわかること
- ・展示会出展の目的や市場動向
- ・展示会の代表的な種類と特徴
- ・展示会に出展する5つのメリットと、注意すべきデメリット
- ・成功につなげるための出展ステップ
展示会とは?
展示会とは、企業や団体が自社の製品・サービスを紹介する場として開催されるイベントです。BtoBでは、同業界の関係者や見込み顧客が一堂に会するため、新規顧客開拓・商談創出・情報収集といった目的で活用されます。
近年はリアル展示会だけでなく、オンライン展示会やハイブリッド型も増えており、幅広い業種で出展の検討が進んでいます。
展示会出展の目的
展示会に出展する目的は大きく分けて以下の通りです。
- ・新規リードの獲得
- ・商談機会の創出
- ・自社認知度の向上
- ・既存顧客との関係強化
- ・市場調査・競合分析
このように、展示会は単なる「名刺交換の場」ではなく、マーケティング・営業・ブランディングを一体的に推進できる施策です。
展示会の市場
展示会市場はコロナ禍で一時的に縮小しましたが、近年はリアル展示会の復活とオンライン展示会の普及で拡大傾向にあります。特にBtoB分野では、デジタル施策だけではアプローチしづらい層への接点として再評価されています。
また、日本の展示会市場は東京ビッグサイトや幕張メッセを中心に成長しており、IT・製造業・建設・医療など幅広い業種で開催数が増加中です。加えて、オンライン展示会の導入により地方企業も参加しやすくなったことから、今後もリアルとオンラインを組み合わせた「ハイブリッド展示会」が主流になると予想されます。
展示会の4つの種類
展示会と一口に言っても、開催形式や目的によっていくつかの種類に分かれます。ここでは代表的な4つの展示会について解説します。
合同展示会
合同展示会とは、複数の企業が一堂に出展し、同じ会場で製品やサービスを紹介する展示会です。来場者は一度に多くの企業の商材を比較検討できるため、集客力が高く、新規リード獲得の場として有効です。
特にBtoB業界では、業種やテーマごとに合同展示会が開催されるケースが多く、効率的にターゲット層へアプローチできます。
販売展示会
販売展示会(即売会)は、その場で商品を販売することを目的とした展示会です。小売や食品、アパレル、雑貨などの分野で多く見られ、来場者は実物を体験しながら購入できます。企業にとっては直接売上につながるだけでなく、消費者の反応をダイレクトに得られる点もメリットです。
プライベートショー
プライベートショーは、特定の企業が単独で開催する展示会のことを指します。招待客を対象とするケースが多く、既存顧客や有力な見込み顧客に向けて、自社の新製品やサービスを集中して訴求できます。
規模は合同展示会より小さいですが、ターゲットが絞られているため、密度の濃い商談や関係構築が可能です。
パブリックショー
パブリックショーは、一般消費者を対象とした展示会です。入場料を支払えば誰でも参加できるケースが多く、自動車ショーやゲームショー、美容・健康系イベントなどが代表例です。
企業にとってはブランドの認知拡大やファン獲得につながり、BtoCマーケティングにおいて重要な手法といえます。
展示会に出展する5つのメリット
1.一度に多くの見込み顧客の方に会うことができる
もちろん展示会のテーマや規模にもよりますが、数万人単位の来場者がいる展示会であれば、会期中の数日間で数百人の方に向けて自社の商材をアピールすることができたり、名刺を獲得することができます。「一度に多くの見込み顧客を獲得したい!」という企業にとっては、展示会はとても有効な施策であると言えます。
展示会は情報収集が目的であることも多いですが、課題に合った商材やサービスであれば、商談なるケースもありますし、具体的に導入を検討している方も来場されますので、「短期的に受注を獲得したい!」という企業にもメリットのある施策の一つだと思います。
とはいっても、ただ出展しているだけで見込み顧客や商談機会を数多く獲得できるわけではありません。集客を成功させるために、積極的な声掛けやブースの工夫などをしっかりとおこないましょう。企業によっては、コンパニオンやノベルティを活用して人の呼び込みを行っているケースもあります。展示会出展の目的や予算を鑑みながら、集客施策も検討していくことが大切です。
2.直接会うことができる
見込み顧客と「直接会うことができる」というのも展示会の大きなメリットです。初めてお会いする来場者の方がほとんどだと思いますが、その方に向けて直接自社商材やサービスを説明・アピールすることができますし、質問にお答えしたり、課題などのヒアリングも可能です。
また、直接説明できるので、商材やサービスの内容だけでなく、会社や社員の雰囲気を伝えることができるのも、非対面でのマーケティング施策と異なるポイントです。
ただ、このポイントはマイナスとなりうる可能性もあります。「商材を全然理解していない」「活気がない」などと思われてしまわないよう、「しっかりしている」「信頼できる」と感じてもらえるような対応を心がけましょう。
- ・その場で商談し、直近の受注に近づけたい
- ・サービスや製品について認知度を向上したい
大型の展示会であればあるほど、地方からの来場者も多く、これまでなかなかアプローチできていなかった方々に直接自社商材をアピールできます。ですから、機会を無駄にしないように事前にブースにいるメンバー間で説明やデモンストレーションのやり方をすり合わせしておきましょう。
3.特定のテーマに興味のある人が来場する
展示会はあるテーマに絞った内容で開催されるため、来場者はそのテーマに興味のある方がほとんどです。つまり、一度に多くの方に会うことができるだけでなく、その方は出展した展示会のテーマに興味を持っている、つまりターゲティングがある程度できている状態といえます。
ただ、展示会によってはテーマがあいまいだったり、出展している商材やサービスに合わない方が多く来場する可能性もありますので、出展する展示会をしっかり選定するということが重要です。
4.認知宣伝効果がある
展示会には多くの方が来場されますので、直接お話できていない方でも、ブースやマップなどであなたの会社名や商材名を目にしています。当社も展示会は継続的に出展していますが、何回も出続けていると、覚えてくださっている方もいらっしゃいます。
このような認知宣伝効果を目指す場合は、
- ・継続的に出展する
- ・ある程度コマ数をとって目立つようにする
- ・ブースの装飾やメッセージを工夫する
など、ぜひ来場者の印象に残るような工夫をしてみてください。
また、ブース内で自社商材のリーフレットやチラシなどを配るのも効果があります。当日、なかなか落ち着いて説明を聞いていただけなかった場合でも、リーフレットやチラシは持ち帰って見てもらえる可能性がありますので、なるべく用意しておきたいものです。
5.既存顧客とのコミュニケーション
展示会は、既存顧客の方に「新しいサービスを展示会に出展するので、ぜひご来場ください」など、新サービスの紹介も兼ねてコミュニケーションのフックに活用することも可能です。ご来場いただければ、直接コミュニケーションをとることができますし、もしご来場いただけなくても、情報提供の機会にすることができます。
新規の見込み顧客や認知目的の出展が多い印象もありますが、既存顧客向けに展示会をうまく活用している企業もいらっしゃいます。
展示会のデメリットと対策
展示会は多くのメリットがある一方で、成功させるにはいくつかの課題も存在します。ここでは特に注意しておきたい3つのポイントを解説します。
1.専門的なノウハウが不可欠
展示会はただ出展すれば成果が出るわけではありません。ブースの設計、キャッチコピーの工夫、来場者への声掛け、当日のオペレーション、そして展示会後のフォローアップなど、専門的なノウハウと経験が求められます。
ノウハウが不足していると、名刺は集められても商談や成約に結びつかないケースが多く見られます。そのため、社内で経験者を配置する、あるいは展示会サポート会社を活用するといった工夫が必要です。
2.高額なコストと時間的負担
展示会は出展料や装飾費、配布資料やノベルティなどの準備費用に加えて、スタッフの拘束時間も大きくかかります。
また、大規模な展示会ほど出展費用は高額になり、1ブースで数百万円規模のコストが発生することもあります。費用対効果を事前にシミュレーションし、他の施策とのバランスを考えた投資判断が欠かせません。
3.成果が出るまでに時間がかかる
展示会で獲得できるリードの多くは「情報収集段階」の見込み顧客です。すぐに商談や受注につながるケースもありますが、一般的にはリードナーチャリングを通じて中長期的に成果へつなげる必要があります。
展示会を短期的な成果だけで評価してしまうと「効果がなかった」と感じやすいため、展示会後のフォロー体制やマーケティング施策との連携を前提に考えることが重要です。
展示会出展の流れと成功までのステップ
1.企画・目的の明確化
展示会出展を成功させる第一歩は、「何のために出展するのか」 を明確にすることです。新規リード獲得、商談機会の創出、既存顧客との関係強化など、目的によって出展する展示会の種類やブースの設計、KPIが大きく変わります。
2.事前準備(集客とブース設計)
展示会は当日だけでなく、事前準備の質が成果を左右する施策です。
- ・既存顧客や見込み顧客に招待状を送る
- ・WebサイトやSNSで出展情報を告知する
- ・ブースのレイアウトや装飾を工夫し、来場者が立ち寄りやすい環境を整える
- ・配布用のチラシやノベルティを用意する
3.当日の運営(接客・デモ・商談対応)
当日は、来場者と直接接点を持つ大切な機会です。声掛けやデモンストレーションを積極的に行い、サービスの魅力を伝えます。スタッフ間でトーク内容を統一しておくと、来場者に一貫性のある印象を与えられます。
4.展示会後のフォローアップ
展示会は「終わったあと」が本当の勝負です。獲得した名刺やリードに対し、迅速にお礼メールを送り、ホワイトペーパーやセミナー案内などを提供して関心を継続させます。ここでフォローを怠ると、多くの見込み顧客が離れてしまいます。
5.効果測定と改善
最後に、展示会での成果を数値で検証し、次回に活かすことが重要です。
- ・名刺獲得数
- ・商談化率
- ・成約件数
などをKPIと照らし合わせて評価し、改善点を洗い出しましょう。展示会は一度で完結する施策ではなく、PDCAを回すことで効果を高められる取り組みです。
展示会出展を成功させる4つのポイント
ここまで展示会出展のメリットをいくつかご紹介してきました。ただ、「展示会の費用対効果が合わない」「なかなか商談につながらない」など、課題を持っていらっしゃる方も少なくないと思います。ここでは、展示会で成果を出すためのポイントについていくつかご紹介します。
1.出展の目的を明確にする
そもそも展示会出展の目的が不明確なままだと、ブースのメッセージやトーク、活動などに一貫性がなくなってしまいます。「なんとなく出展する」ではなくしっかりと出展の目的を整理して決めておくことが重要です。
- ・新規リード獲得
- ・商談機会の創出
- ・既存顧客との関係強化
など、自社にとっての出展目的を整理しておきましょう。
2.具体的な目標(KPI)を設定する
成果につなげるためには目標の設定が不可欠です。目的を定めたら、それを数値化した目標に落とし込むことが必要です。
- ・名刺獲得枚数
- ・商談創出数
- ・成約件数
など、明確なKPIを設定しておくことで、出展の成果を客観的に振り返ることができます。
3.展示会後のフォローを徹底する
展示会の来場者は、情報収集段階の見込み顧客であるケースが多いです。すぐ商談にならなかったり興味を持っていただけなかったからといって、そのまま放置していてはもったいないです。
展示会後もメールや電話、セミナー招待などを通じて継続的に接点を持つことで、中長期的な成果につなげることができます。
4.費用対効果を定期的に検証する
展示会はコストも時間もかかる施策だからこそ、投資対効果を振り返ることが不可欠です。
- ・出展費用に対して獲得リード数は妥当か
- ・商談や成約にどの程度つながったか
- ・他のマーケティング施策と比べて効果はどうか
定期的に検証し、次回の改善に活かしましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。展示会はそれなりの費用もかかりますが、自社サービスに合うようであれば成果につながる施策でもあります。
展示会出展を迷っている方、昔出展したものの、成果につながらずやめてしまった方。もう一度展示会出展について検討してみてはいかがでしょうか?
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