【営業100人アンケート 02】効果的なメモは「メモ帳」で!

デジタルかアナログかという議論はそれぞれに一長一短あり、どちらとも言えないようです。スケジュール管理や日記についての問いは良く聞きますが、相手を目の前にした商談中はどうなのでしょう。商談中のメモに関する営業担当者アンケートを見ながら、メリット・デメリットを考えていきます。
商談中のメモは何にしていますか?

「商談中はどんなメモツールを使っていますか?」というアンケートでは、第1位の「メモ帳」が49%と約半数を占めています。次いで「手帳」29%、「ノート」14%となっており、デジタル機器の利用はかなり少数派です。
「メモ帳」を使う理由としては、話に集中するために走り書きをするという回答が多く、「要点のみ記して帰ってからまとめる」「手帳の間に挟んで書く」など、後から他のツールに清書するという傾向が見られました。多くの人はアナログの方が手軽で手早く、図も描けるので便利と考えているようです。また、デジタル系は相手に対して失礼という意見も少なくありません。中には「手書きにして商談の成立する確率が上がった」という回答も見られました。
スマートフォンがビジネスに欠かせない現代でも、パソコンや他のデジタル機器を利用している人は、IT系やあまり固さのない業界に限られているようです。
メモ帳を使うメリット・デメリット
メモを使うメリットは何といっても自由性が挙げられます。相手の顔を見ながら走り書きをする場合でも、乱雑さを気にせずに筆記できます。記号や図形など文字以外でも気軽に描け、必要に応じて破ることも、相手に渡すこともできます。
デメリットとしては重要事項を紛失したり日付や順序がわからなくなったりする可能性があるため、後からきちんと整理や清書をしておく必要があるという点でしょう。また、メモ帳は手帳よりもフォーマル感に欠けるため、相手によっては手帳を重ねるなどして、工夫している人も多いようです。
手帳を使うメリット・デメリット
手帳はきちんとした印象を相手に与え、真剣さをアピールできます。
使いこなされた手帳は、仕事に対する姿勢を示し、年長者の前でも失礼になりません。「日付と他のスケジュールもまとめてあるので、一目で様々な情報を確認できる」という機能面でも、手帳を選んでいるという回答が多く見られました。「胸ポケットにいつも入れている」「かさ張らず、ペンも付けられる」など、携帯のしやすさも手帳のメリットといえるでしょう。
一方ではスペースに限りがあり、大量の情報が書ききれないというデメリットもあります。罫線があるとどうしても文字の大きさが限定され、メモよりも丁寧に書く必要があります。「メモ帳と併用する」「大き目の手帳を使っている」といった回答からは、手帳のデメリットをカバーする工夫をしている様子が伺われます。
ノートを使うメリット・デメリット
ノートを商談に活用している人の多くは、紙面の広さを理由に挙げています。
急いで書いても大きな文字ならば後からでもわかりやすく、不要な部分は破って外すこともできます。図形やイラストなど何でも描ける上、相手に示しやすいというメリットがあります。
アンケートでも「相手に見えるように書いて、お互いに確認している」といった回答が見られ、ノートの大きさを商談に活用している様子がわかります。
デメリットとしては手帳やメモ帳よりもかさ張りがちで、大きめの鞄でないと持ち運びできないということが挙げられます。筆記用具をセットにしておく必要があり、手帳のように付帯できません。手帳よりもカジュアルに見えてしまうため、気の張る商談では不向きです。また、整理が悪いと情報の記載場所が、混乱する可能性があります。
パソコンを使うメリット・デメリット
パソコンを使うもっとも大きなメリットは、後からの情報整理が楽という点でしょう。
関連するキーワードについての検索も簡単にでき、URLを記載することもできます。時系列に並べたり、関連情報をフォルダ分けしたりとデータを効率よく利用できる上、検索も可能です。グラフや画像の添付や、メールでの情報共有の実施がしやすいのもデジタルならではといえるでしょう。
アナログでメモしている人の中にも、「会社に戻ったらパソコンに入力する」という回答があり、最初からパソコンを使えば二度手間にならずに済むといえます。
パソコンのデメリットとしては、キーの音が挙げられます。話の邪魔になったり、集中の妨げとなったりする可能性があり、「デジタルは失礼」という意見も多いようです。また「持ち運びが重い」「充電切れで慌てた」といった、パソコンならではの課題も聞かれました。
さいごに
パソコンやスマートフォンは今やビジネスから外すことのできないアイテムですが、商談で相手と向き合う場合にはアナログを選ぶ人が9割以上を占めています。話を聞きながらデジタル機器を使うことがマナーに反するというイメージは根強く、結局は手書きの方が早いという意見が多く見られました。
手書きをすることで、より理解が深まり、記憶にも残るという声も聞かれます。メモの内容はそのままにせずに再度見直して、パソコンデータに残したり、整理したりすることで情報としての価値が高まります。商談相手を不快にさせず、成果につながるメモ術を身につけていきたいものです。