【図解】2分でわかる「DSP」~興味・関心ターゲティングで広告成果を上げる手法~

DSPとは、Demand-Side Platformの略称であり、インターネット広告主の費用対効果の最大化を目的としたプラットフォームです。配信対象となるターゲットや予算を設定し、バナーを入稿するだけで、最適な広告配信を自動化することができる仕組みです。
Webマーケティングに関わっている人ならば、DSPという単語を耳にしたことはありますよね。さらに言えば、アドテクノロジーの浸透によりDSP広告を活用している、導入検討したことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、業界では常識になりつつある「DSP」のコレだけは知っておくべきポイントを解説します。
DSPの仕組みと登場の背景
DSPとは、Demand-Side Platformの略称で、広告主(広告配信を希望している側)のプラットフォームです。つまりDSPは、広告出稿の費用対効果を高めたい広告主のためのサービスです。
SSPとは、Supply Side Platformの略称で、メディア(広告枠を提供している側)のプラットフォームです。
広告枠をなるべく高く買ってもらいたい媒体社(メディア)のためのサービスであるといえます。
ただし、BtoBユーザー向けのメディアの場合、ユーザー属性が狭い傾向があるので、多様な広告を出し分ける必要がそれほどありません。そのため、SSPを使わず広告の枠を直販売したほうが収益向上に繋がる傾向もあります。
これらは名前に、Demand-Side(需要側、つまり広告の発注側)、Supply-Side(供給側、つまり広告の受注側)とあるように、対の関係性にあります。セットで使われることで、双方に広告費用対効果を生み出します。
DSPやSSPの活用で、なぜ広告費用対効果が良くなるのでしょうか。
なぜならば、メディア来訪者の情報(性別、年代、嗜好性、行動履歴)に合った広告を表示させる仕組みがDSP、SSPにあるからです。
DSP・SSPでどのように広告が表示されるのか?
どのように私達のニーズにあった広告が表示されるのか、図で簡単に説明します。
■DSP・SSPの仕組み
- ①ユーザーが広告枠のあるサイトを閲覧
- ②こんな人(ユーザー情報をもとに:性別、年代、興味、行動履歴など)が来たから広告表示したいです。
とSSPに広告をリクエストします。 - ③SSPがDSPに、どのDSPが広告を配信するかを決めるオークションを行うようリクエストを出します。
- ④各DSP内による入札の結果情報をSSPに送信されます。
- ⑤落札したDSPの情報がサイトに送られます。
- ⑥そして、サイトが落札したDSPに対して、広告配信のリクエストを送ります。
- ⑦DSPからサイトへ広告が配信されます。
このような循環が私たちがさまざまなメディアを見ている裏側でシステマティックに行われています。
そもそも、なぜ「DSP」は登場したのか
- ・ユーザーターゲティングの考え方
- ・顧客のニーズにあった広告配信
この2つが「DSP」登場の背景に大きく関わります。
インターネットの普及、さらにはスマートフォンの普及により、私たちの情報収集や購買行動がインターネット上で、より頻繁に行われるようになりました。それに伴い、企業のマーケティング戦略もマスから顧客に寄り添うOne to Oneマーケティングにシフトしていっています。
このことから、広告主のニーズはアプローチしたい顧客に必要最低限のコストで過不足なく広告を配信するというものに変化しました。
しかし、それを人力で行うのはかなりの工数がかかるため、広告運用者の負担はかなり大きくなります。それを解決するため、システマティックに広告配信ができる「DSP」「SSP」という仕組みが開発されたのです。
システマティックな広告配信の仕組みはDSPやSSPだけではありません。
ここ最近、「アドテクノロジー」という言葉を聞いたことはありませんか?アドテクノロジーとは、インターネット広告に関するシステム(裏側の部分)を指します。『広告主(広告費を支払って、自社のサービスや製品の広報活動をする法人・個人事業主)とメディアの双方の広告収益最大化』を実現すべく、DMPやアドネットワークといったテクノロジーが開発されています。広告に関わる方はぜひ一度チェックしてみてください。
解説記事:いまさら聞けない「アドテクノロジーとは」~基礎知識編~
DSPを利用する3つのメリット
では、実際にDSP広告を利用するとどのようなメリットがあるでしょうか。今回は代表的なものを3つご紹介します。
1.興味関心の高いユーザーにターゲットを絞り、配信することができる
DSPを利用することで、狙ったユーザーに広告を配信できます。ユーザーのCookie情報(「性別」「年代」「嗜好性」「行動履歴」など)をもとに、セグメントをかけることができるため、自社の製品やサービスに興味関心の高いユーザーにターゲットを絞り、広告を配信することができます。
また、潜在ニーズ層にアプローチできるというメリットもあります。
2.類似ユーザーをターゲティングして、広告配信することが出来る
DSP広告のなかには、過去に製品の購入や資料を請求したユーザーと類似した行動をとるユーザーをターゲティングして、広告配信することが出来る機能があります。これを利用することにより、成果向上はもちろん、広告の費用対効果を良くすることにつながります。
3.広告運用者の工数削減
今まで、GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDN(Yahoo!ディスプレイネットワーク)で手作業で入札単価の調整や広告配信の調整を行っていたことが、DSPならそれらの作業を半自動で最適化してくれます。その分、広告のクリエイティブ分析などといった人の手が必要な作業に時間を使うことで、DSPの利用が広告の成果最大化にさらに繋がるでしょう。
DSP 導入検討のポイント
DSPを利用するメリットはご理解いただけましたでしょうか。良いことばかりのDSP。ぜひ利用したい!と感じた方もいると思います。
では次に、DSPを導入するときのポイントを解説します。比較検討の際などにお役立てください。
自分たちの立場・目的の確認
これまでご説明した通り、DSPとは、広告の費用対効果を高めたい広告主のためのサービスであり、自分たちの立場が広告主である前提が必要です。
そして、DSPを使う価値は、たくさんのトラフィックを確保しながら、訴求したい「人」をターゲティングして、自動配信出来ることです。どんなユーザーをターゲットにしたいのか、しっかりと分析できていることが重要です。
ただし、DSPでは実際にどんなWebサイトに広告が配信されたのか確かめることはできません。どうしても配信先を知っておきたい場合は、DSPは使わず、広告枠を直接購入することをおすすめします。
各社DSP広告の比較
ここでは、代表的な6つのDSP広告のサービスを簡単にご紹介します。
①株式会社フリークアウト:FreakOut
【特徴】
・大量の広告在庫があり、たくさんの広告枠にアクセスできるため、多くのユーザーに広告配信ができる。
・アトリビューション分析、レコメンドバナー配信機能など機能が豊富
②株式会社マイクロアド:MicroAd BLADE
【特徴】
・ターゲティングの精度が優れており、CPA最適化を簡単に行える。
・対応デバイスが多彩(PC、フューチャーフォン、スマートフォン〕
③株式会社クロスリスティング:クロスリスティングDSP
【特徴】
・クロスリスティングDMPとの連携により、サーチリターゲティング(ユーザーの検索キーワードをもとにターゲティングできる仕組み)ができるDSP
・手動運用型のDSP
④ソネット・メディア・ネットワークス株式会社:logicad
【特徴】
・ターゲットの設定や分析が細かくできる
・手動運用型のDSP
⑤CRITEO株式会社:Criteo
【特徴】
・独自のアルコリズムが秀逸
→独自の分散機械学習フレームワークを構築
・ターゲットの行動履歴に応じて表示させる「自動最適化」の精度が高い
・サイト外レコメンド機能がある
⑥京セラコミュニケーションシステム株式会社:KANADE DSP
【特徴】
・ユーザーの行動解析により、潜在顧客に広告配信ができる
・配信メニューが3パターンあり、戦略に合わせた導入が可能
いくつかご紹介しましたが、世の中には数多くのDSPサービスがあります。
気になったDSPをいくつか比較して自社に本当に合ったDSPを導入してください。
まとめ
今回、DSPのポイントを簡単にご紹介しました。DSPとは何ぞやというものが理解できたのではないでしょうか。
顧客ひとりひとりにあったマーケティング活動を行っていく必要がある今、DSPは広告配信側、広告閲覧側ともにwin-winになるサービスです。しかし、誰しもに合う万能サービスではありませんので、自社の立場・戦略を分析することが重要です。その上で、導入検討する際には、自社にあったサービスかどうかをしっかり吟味してから決めましょう。
これを読んでもっとUrumo!
この記事を読んだあなたに、さらにステップアップできる記事をご紹介します。