データフィード広告とは?仕組みやメリットを基礎から解説!
みなさんは広告に対してどんなイメージを持っていますか?「便利、すごい」といったものから「不便、目障り」など、色んな感情を持っているかと思います。
いまや広告は、表現方法を変えつつもわたしたちの生活に密接に関わり始めています。数ある広告の中でも特に可能性が秘められているのが、データフィード広告だと言われています。
今回はデータフィード広告の基礎知識から将来までを紹介しつつ、面白さを実感していただけたらと思います。
データフィード広告の基礎知識
データフィードとは
データフィード広告を説明する前に、「データフィード」とは何かから説明していきます。
データフィードとは、「自社の商品のデータを、広告配信先のフォーマットに変換して送信する仕組み」です。
例えばECサイトの例で考えてみましょう。ECサイトで買い物をする際は、サイトに訪問し商品を閲覧しますよね。データフィードは、訪問履歴や閲覧商品の履歴データを、広告配信先のデータフォーマットに変換し、連携することができます。この仕組みのおかげで、ピンポイントに商品の広告を打つことができるのです。
楽天やAmazonで商品ページを閲覧後、別サイトでもその商品の広告が出てくるのは、データフィードがあるからなんですね。
ちなみに、データフィードが生まれた背景は、広告先ごとにデータフォーマットが異なり、毎回フォーマットを変換するのが不便だったからだそうです。商品データの変換や整理を自動でしてくれるなんて、データフィードは素晴らしい技術だと思いませんか。
データフィード広告とは
つまり、データフィード広告とは、「複数の広告配信媒体に、データフィードという仕組みを適用させ、データを自動で変換し配信してくれる広告サービス」です。閲覧商品や関連商品を抽出して広告配信ができるので、広告運用の利便性が向上します。
データフィード広告の市場規模
ビカムとデジタルインファクトの調査によると、2016年の市場規模は、前年比約5割増の649億円となっています。
データフィード広告市場規模(広告商品別)2014年~2020年 単位:億円
データフィード広告には大きく2種類あり、サイト内に表示される「ディスプレイ型広告」と、検索エンジンに表示される「検索連動型広告」に分かれます。市場規模の内訳でいうと、ディスプレイ型広告が前年比48%増の511億円、検索連動型広告が前年比52%増の138億円となっています。大手広告配信企業が提供する商品を中心に、引き続き需要の拡大が進んでいるようです。
データフィード広告のメリット
ではなぜ、データフィード広告はここまで伸びたのでしょうか。データフィード広告のメリットから考えてみましょう。
- データフィード広告のメリット
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- ・顧客の興味分野に合った広告を表示することができる
- ・顧客の目に留まる機会が増える
- ・フォーマットを変えるだけで配信先を広げることができる
- ・データ変換のコストが減る、変換作業に費やす時間が減る
急成長の理由を考えると、やはりデータフィード広告の特徴でもある、「顧客の興味分野に近い広告を出せる」点でしょう。もちろん、マーケターが管理しやすいというメリットも大きいですが、まずはユーザー側に受け入れられないと市場として成り立たないですよね。
これまでの広告は、広告配信側が一方的に配信、表示していました。しかし、データフィード広告の登場によって、マーケターにとっては管理しやすく、ユーザーにとっても価値のあるコンテンツであるという双方のニーズがマッチしたのです。こういったニーズのマッチングに、拡大の要因があるのではないでしょうか。
データフィード広告の種類と媒体
データフィード広告には2種類あると、先ほど述べました。「ディスプレイ型データフィード広告」と「検索連動型データフィード広告」です。それぞれ導入企業数が多いサービスについて紹介したいと思います。
ディスプレイ型データフィード広告編
■ Criteo(クリテオ) http://www.criteo.com/jp/
ディスプレイ型データフィード広告のなかでも、動的リターゲティング分野で人気なサービスのひとつ、Criteo。Yahoo!に配信できるのは現状Criteoのみで、非常に注目されています。
フランスの企業ですが、Criteoの広告を見たユーザーの割合は日本がトップのようです。日本はYahoo!ニュースを見ているビジネスパーソンが多い、といった背景があるのかもしれません。
■ Google 動的リマーケティング https://support.google.com/adwords/answer/3124536?hl=ja&ref_topic=3180758
Criteoより後発でサービスがスタートしましたが、利用者が徐々に増え始めているGoogleの動的リマーケティング。以前はECサイトのみの運用だけでしたが、それ以外の一般業種でも利用が可能になりました。一般顧客の生活により沿った広告を出していきたいようです。
やはり、Googleの検索と併せた広告手法とネットワークを利用できるのは強いですよね。
検索連動型データフィード広告編
■ MicroAd BLADE https://www.microad.co.jp/service/blade/
MicroAdが手がけている検索連動型データフィード広告サービス。先駆的にデータフィード広告に投資していたおかげか、国内最大規模の売上シェアをあげています。月間約700億インプレッションの広告枠を確保しており、10,000社を超える企業が、このプラットフォームを利用しているようです。
■ FreakOut https://www.fout.co.jp/freakout/
国内のデータフィード広告業界では一番古株のフリークアウト。オンラインだけでなくオフラインのデータも活用し、多種多様なロジックを形成しているようです。
特徴は、認知から獲得、継続までのファネル全てで課題を解決していく「ワンストップ型」をとっていることです。マーケティング施策そのものにソリューションを提供していることもあって、マーケティングを一元管理したい企業に選ばれる要因となっているようです。
データフィード広告の将来
冒頭で紹介した市場規模のデータにも示されているように、今後もデータフィード広告市場は継続的に伸びていくでしょう。
今後、データフィード広告が伸びていく上で注目されているのが、機械学習の活用です。機械学習とは、ユーザーの行動履歴や統計データを分析し、最適な提案を導き出す技術のことです。機械学習の活用に投資が行われることで、Webサイトの検索履歴や購入履歴などの行動履歴データを頻繁に収集し、データ量をどんどん増やすことができるようになります。
機械学習の精度は、データの蓄積量と統計量が増えるほど高精度になるため、ユーザーにとってより最適なレコメンド広告を出せる可能性が高まるのです。
例えば、自分が欲しい!と思った商品が、いまこのタイミングといったベストな時間でレコメンドされたらついつい買ってしまいますよね?また、自分の過去の購入履歴を分析した結果、「この時期にはこの商品を購入しているから今年も買いますか?」といったレコメンドがあったら非常に便利ですよね。
データフィード広告には、こういった可能性が秘められていると思います。データフィード広告と機械学習の進歩が、私達の生活をより便利にしてくれるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?データフィード広告の登場を見ているだけでも、世の中がどんどん便利になっているように思います。実は、広告手法の変化の背景には、技術の進歩が関わっていたんですね。
企業による広告投資のパイが大きいからこそ、広告業界には多くの技術発展が起きています。つまり、広告業界は、技術の進歩を反映しているのかもしれません。ますます今後の動きが楽しみですね。