カウンタートークとは?顧客からの疑問や否定をチャンスにつなげよう
カウンタートークとは、商談の際などに使われる営業トークのテクニックの一つです。商談の中で顧客からの疑問や否定に対しては、カウンタートークを活用することが効果的とされています。
この記事では、カウンタートークの概要から、活用することのメリット、カウンタートークを成功させるポイントまで詳しくご紹介します。
カウンタートークとは
カウンタートークとは、商談中に顧客が感じた疑問や懸念、否定に対して切り返すトークのことです。商談中の顧客からの質問や疑問に上手く回答することができれば、一気に商談を進めることができます。
逆に、適切な回答ができなければ顧客の不安感は高まり、失注に繋がる恐れもあります。
商談を行う際には、ある程度商談の流れを想定したトークスクリプトとともに事前にカウンタートークを準備しておくことで、顧客の反応に対してスムーズに対応することができます。
疑問や懸念は顧客によって様々であり、それぞれ異なる回答が求められるため、カウンタートークを事前に想定しておくことは容易ではありません。商談の回数とともに蓄積された情報をもとにして、カウンタートークの精度を徐々に高めていくことが求められるのです。
カウンタートークを活用するメリット
カウンタートークを事前に準備しておくことで、組織全体で顧客に対しての回答を統一することができます。そうすることで、「担当者ごとに回答が違う」といったクレームや、「聞いていた話と違う」などといった相違のズレを減らすことができるのです。
また、過去の商談から蓄積された情報をもとにカウンタートークを徐々にブラッシュアップして共有することで、組織全体として営業トーク力の向上にもつながるでしょう。
カウンタートークを成功させる4つのポイント
ここでは、カウンタートークを成功させるために意識しておきたいポイントについて解説していきます。
顧客の反応の背景を捉える
顧客からの否定や断りがあった際には、まずその反応の背景をしっかりと理解しておく必要があります。どういうことかというと「予算がない」と言われた場合でも、その言葉には複数の意味があると考えられるからです。
例えば、「今は予算を捻出できないが、来期に再度提案してほしい」という意味なのか、単に「もう少し安い金額のプランなら購入する」という意味なのか、捉え方次第で大きく意味が異なります。
ここで、顧客の本音を理解していないと的外れな回答をしてしまうこととなるため、まずは顧客の反応をしっかりと理解することが求められるのです。
反応に対して掘り下げた質問をする
カウンタートークは顧客の意見に対して、切り返しのトークを行う手法ですが、否定することだけではなく会話の方向性を変えることもできます。
例えば、顧客からの断りの反応に対しては、掘り下げて質問をしていくことが効果的です。上述した「顧客の背景を捉える」ためにも、断りの理由についてさらに掘り下げて質問していくことで顧客の本音を聞き出すことにつながります。
顧客の意見を受け入れる
最初から自分の意見を否定されることは、顧客の気分を悪くしかねません。まずは顧客の意見に対して肯定し、意見をしっかりと受け止めてからこちらの意見を伝えることが重要です。
仮に、顧客の意見を否定したことで成約につながったとしても、その後押し売りされたと感じれば契約破棄や、その後の継続が難しくなることも考えられます。
信頼関係を構築するためにも、まずは顧客の意思に寄り添った提案であることを伝えることが重要となります。
カウンタートークの精度を高める
顧客によって様々な回答が求められるカウンタートークですが、一度作成したものを使い続けるのではなく、商談を重ねるごとにその情報をもとにしてブラッシュアップさせていくことが重要となります。
断り文句のパターンや、成功した対応例などを記録し、組織全体で共有できる仕組みを構築しておきましょう。
よくあるカウンタートークの例
「買わない理由」には、いくつかのパターンが存在します。主な買わない理由に以下の3つがあります。
- ・予算がない
- ・今は商品を必要としていない
- ・決裁者でないため購入を決められない
ここでは、このそれぞれの理由に対してカウンタートークをみていきましょう。
「予算がない」と言われたら?
商品の金額や予算についての断り文句がもっとも一般的です。「予算がない」という顧客には、上述したようにその言葉の真意を確かめてから会話を進めましょう。
ここでの顧客の真意が本当に予算がなく、もう少し安いものなら・・・と考えている場合でもすぐに商品の値下げを行うことが効果的とは言えません。「もともと高めに値段設定されてたのでは?」と疑念を感じさせてしまうことにもつながり兼ねません。こうした場合には、安易な値下げを行うのではなく、予算にあった他のプランを提案するのがいいでしょう。
また、商品がこの値段である理由や商品価値を理解してもらうことで顧客側が新たな予算を捻出してくれることもあります。
「今は必要ない」と言われたら?
「今は必要ない」という顧客に対しては、今一度ニーズをしっかりと確認する必要があります。この場合、顧客がまだ課題やニーズに気が付いていないことも考えられるため、潜在的なニーズを引き出してあげることが重要です。
また、顧客がすでに他社の類似製品を使っているから必要ないと言われた場合には、その製品に対して自社製品の優位性や差別化できる点などを説明することが効果的でしょう。
「決裁権がない」と言われたら?
BtoB企業では、商談相手が決裁者でないこともあります。商談の終盤で「決裁権がない」と断られないためにも、早い段階で確認しておくことも大切です。
また決裁権のない担当者と商談を行うことになった場合でも、その後の社内稟議を通過させるための協力者として商談を進めていきましょう。さらに、担当者が社に持ち帰った際に決裁者への稟議を通すために必要な情報や、資料を事前に準備しておくことも重要です。
まとめ:顧客からの否定は興味の表れ
商談の中で顧客からの疑問や、否定をされることは、商品やサービスに対しての興味の表れであるとも捉えられます。本当に興味がない場合には、否定や反応もせずに会話が終わってしまうこともあるからです。そこで商談の中で反応があった際はカウンタートークを活用し、うまく回答していくことが求められるのです。
相手によって異なる回答が求められるカウンタートークの作成は簡単ではありませんが、商談の回数とともに蓄積された情報をもとに、少しずつブラッシュアップを重ね、組織全体としての営業トーク力向上につなげていきましょう。