営業成績を上げたいあなたに送る7つのヒント<営業向け心理学>
最近「商談がうまくいかないなぁ」と悩んでいませんか?営業に関わる悩みは、心理学を学べば解決できるかもしれません。
「営業でよい成績を残していきたい!」「心理学を使うと営業がうまくいくと聞いたことがあるけれど、どうやって心理学を営業に活かすのか、理解するのが厄介だなぁ。」と感じている営業パーソンに向けて、営業現場で使える7つの心理学をピックアップしました。営業シーンごとに心理学用語を解説し、心理学の考え方を営業へ活かす方法を書いています。
この記事を通して、あなたが抱えている営業の課題が少しでも解消されれば嬉しいです。
なぜ心理学が営業で使われるようになったのか?
まずは心理学が営業に使われるようになった理由を考えてみましょう。
営業の目的は、自社の製品/サービスを提供して、お客様の課題を解決することです。お客様の課題を解決できる製品/サービスを提供し、受注後も継続的に使ってもらう、という営業の流れには、営業パーソンとお客様とのやり取りが存在しています。つまり、営業には「人とのコミュニケーション」が重要なのです。
人とのコミュニケーションで考えてみると、双方の信頼関係がなければ長くは続かないでしょう。その信頼関係を得るためには相手の心を理解しなければいけません。
相手の心や行動を科学的に理解する手法として、「恋愛心理学」「スポーツ心理学」「臨床心理学」等、さまざまな分野で心理学が活用されています。ですから、人とのコミュニケーションが肝とされている営業にも心理学が活用されるようになってきたのですね。
商談で使ってみよう!7つの心理学
心理学が営業で使われるようになった背景が理解できたところで、7つの心理学用語を見ていきましょう。営業シーンごとに分けていますので、あなたが今抱えている営業課題と照らし合わせて読んでみてくださいね。
1.営業で好成績を残したいなら:プラシーボ効果
- ▼プラシーボ効果とは
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対象者に対してある特定の感情を思い込ませることで、実際にそれを体感する錯覚効果のことです。例えば、栄養ドリンクに鎮痛効果があると思い込ませると、頭が痛くなったときに栄養ドリンクを飲んで痛みがなくなったように感じるという話が有名です。
プラシーボとはもともと「偽薬」という意味の言葉で、薬効成分を含まない偽薬を服用しても効果があるように感じられる、つまり、思い込む努力をしていると本当にそう思うようになる、ということです。
- ▼活用方法:提供する製品/サービスを好きになろう!
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好成績を残している営業パーソンに共通する点の一つに『提供する製品/サービスのことが好きで自信を持っている』という点があります。良い製品/サービスだと思い込めば、自信を持って提案することができます。反対に、製品/サービスに魅力がないと思い込めば、その自信のなさがお客様にも伝わり、売上が下がる可能性があります。
営業で好成績を残すには、まず自社の製品/サービスを魅力があって良いなと思うことが大事ですね。そのためには、製品/サービスのことを十分に理解することが重要とも言えます。
2.初対面ですぐに商談相手と仲良くなりたいなら:バックトラッキング
- ▼バックトラッキングとは
バックトラッキングとは、日本語で「オウム返し」と言い、相手の言葉を繰り返すことを指します。バックトラッキングによって、相手は自分の話がよく理解され受け入れられているという肯定的な感覚を持ち、話し相手を信頼するようになります。
- ▼活用方法:相手の言葉を繰り返そう!
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初対面の相手と商談するとき、緊張してなかなか打ち解けられないですよね。そんなときは、相手の話の中で「キーとなる言葉」や「感情が表れる言葉」を繰り返し、相手からの信頼を得ながら、徐々に心の距離を縮めることを意識してみてください。
また、似たような心理学用語が「ミラーリング効果」で、自分と似た動きや仕草をする相手に好意を持ちやすくなる効果があります。言葉を繰り返すことに加えて、相手の仕草も真似することもできれば、初対面ですぐにお客様と仲良くなれそうですね。ただし、いずれも度が過ぎる繰り返しや真似は相手に不快な思いをさせてしまう可能性がありますので、やりすぎには注意してください。
3.もっともっと自分に興味を持ってもらいたいなら:好意の返報(へんぽう)性
- ▼好意の返報性とは
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相手からの好意を感じると、自然とその人に対して好意的な感情を持ったり、好意的に振る舞ったりすることです。「返報性の原理」とも言い、人は他人から何かをしてもらった場合に、何かお返しをしなければならないという感情を抱くことを指しています。
- ▼活用方法:相手の役に立つ情報を一緒に伝えよう!
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商談相手と仲良くなるという最初のハードルを超えることはできても、信頼を得ることはなかなか難しいですよね。ゴールである受注に繋げるには、製品/サービスだけでなく自分自身にも興味を持ってもらい信頼してもらうことが重要になってきます。
ここで好意の返報性を活用して、製品/サービスの提案だけではなく、相手のビジネス上の課題解決に役立つ情報を同時に伝えてみましょう。相手は「自社の製品/サービスを売りに来ただけでなく、自分のことを親身になって考えてくれているのだな」と感じて、信頼してくれるでしょう。
4.商談をぐっと前に進めていきたいなら:プライミング効果
- ▼プライミング効果とは
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事前に見聞きした事柄により、その後の判断に影響を与える効果を指します。例えば、「夏までに痩せたいですか?」というアンケートに「はい」と答えた人は、ダイエットを意識するようになり、それまでダイエットサプリメントに興味がなかったのに、自然とサプリメントに関心を持つようになります。
- ▼活用方法:「こんな経験はありませんか?」と質問しよう!
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受注へと一歩ずつ進めていくためには、相手に理想の状態を頭にインプットさせながら、「はい」と答えられる質問をしていきましょう。お客様が直面する課題について「解決できたら◯◯な状態になりますが、このような状態になりたいですか?」と質問します。「はい」と答えたということは現状に痛みを感じている状態であり、その課題を強く意識するようになります。
このような質問を繰り返していくと、次第にお客様は解決できる製品/サービスに魅力や希望を抱くようになるでしょう。
5.商談相手に製品/サービスを好きになってもらいたいなら:バンドワゴン効果
- ▼バンドワゴン効果とは
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選択肢の一つが多くの人に支持されている情報を知ったときに、その選択肢が正しいと思い込むことを指しています。映画CMなどで「全米No.1!大ヒット!」という文言があると、つい観に行ってしまう人が多いのもこの心理効果です。
- ▼活用方法:堂々と導入実績を言おう!
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製品/サービスに興味がある段階からぐっと信頼感を抱いて好きになってもらうには、バンドワゴン効果を活かしましょう。他社の製品/サービスと比較しながら自社の製品/サービスの魅力を伝えたり、何社が利用しているのかを示す導入実績を具体的な数値をもって伝えたりすると効果的です。お客様の同業他社の成功事例があると、より魅力的に映りますね。
6.最後にすっと相手の懐に入っていきたいなら:カリギュラ効果
- ▼カリギュラ効果とは
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カリギュラ効果とは、あえて秘密にしたり禁止にしたりすることで興味が増す心理効果のことです。子どもの頃、「関係者以外立ち入り禁止」の看板が立っている区域につい踏み入れてしまったことはありませんか?そんな子どもたちの心理はこのカリギュラ効果で説明できます。
- ▼活用方法:秘密の話をしよう!
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クロージングに差し掛かるタイミングで相手の決断を迫るときは、秘密の話をしてみましょう。「基本的には口外できないことなのですが...◯◯様にはお伝えしておきますね」というように、通常は「関係者以外立ち入り禁止」であることを遠回しに伝えることがポイントです。
限定的な情報を手に入れることができると相手は特別扱いをされているような感覚になりますし、秘密の情報を元にメリットを提供してくれるあなたに信頼を抱くことでしょう。カリギュラ効果をうまく活用して、相手の懐に入っていきましょう。
7.長期的に製品/サービスを使ってもらいたいなら:ザイオンス効果
- ▼ザイオンス効果とは
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ザイオンス効果とは、同じ人や物に何度も接触を重ねるうちに好感度が増していく心理効果です。はじめは興味がなかったスポーツでも何度もテレビで見るうちに好きになっていくようなイメージです。
- ▼活用方法:定期的に連絡をしよう!
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営業パーソンとして、契約になった案件がすぐに解約になることは避けたいものです。継続的に利用してもらうためには信頼関係が重要ですが、そこにザイオンス効果を活用することができます。
受注になってすぐフォローをやめてしまうのではなく、定期的に電話やメールで連絡すれば、相手はよい営業パーソンとして信頼してくれるようになります。恋愛と同じで、長期的なお付き合いをしていくためには接触数を増やしていきましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回は日々商談をしている営業パーソンに役立つ心理学用語を7つ取り上げました。営業や商談で活かせる心理学の考え方は見つかりましたか?
心理学をうまく活用できれば、もっとお客様と仲良くなれたり、受注に繋がる確率が高くなったりすることがイメージできたかと思います。ただ、どの効果も魅力的ではありますが、相手に違和感を与えてしまわないように注意してくださいね。
他にも心理学用語はたくさんありますが、まずはこの7つの心理学を理解して、ぜひ実践してみてください!