営業日報は書き方で変わる!効果的な日報に必要な項目とは
営業日報は、書くのに時間がかかることから敬遠されがちです。しかし、目的を持って営業日報をつけることは、マネージャーや部長などの管理職だけでなく、営業担当者本人にとっても有益です。
そこでこの記事では、営業日報を書く目的から、メリット・デメリット、効果的な日報にするために必要な項目まで詳しく解説します。
営業日報の目的・役割とは
まずは、営業日報を書く目的と営業日報が果たす役割について、管理職目線・営業担当者目線のそれぞれから見ていきましょう。
管理職から見た目的・役割
まずは、管理職から見た営業日報の目的・役割について見ていきましょう。
目的1.部下の状況を把握し、育成に役立てるため
管理職にとって営業日報の一番の目的は、営業担当者の稼働数・案件対応数などの業務状況や感じている課題を把握することです。営業担当者ごとの状況を把握することで、的確なアドバイスや指示を出すことができ、部下の育成に役立ちます。
目的2.営業戦略の立案のヒントにするため
営業部門全体の動向を把握することで、市場や業界の動向の把握につながり、今後の営業戦略の立案へと活かすことができます。
目的3.組織全体のスキルアップにつなげるため
営業担当者個々のノウハウやナレッジの蓄積を部署全体で情報共有できることにより、組織全体としてのスキル向上につながります。
営業担当者から見た目的・役割
続いて、営業担当者目線で見ていきましょう。
目的1.上司へ業務報告をするため
稼働数・案件対応数を記載することで、上司に対してその日の業務報告ができます。また、予定通りに商談が進んでいるか、予実管理や個人売上目標の達成状況の確認の場として活用することもできます。
目的2.1日の業務を振り返り自身の成長に生かすため
目標に対して、結果がどうだったのか自身の振り返りを行うことで、反省点や疑問点、懸念などが明確になります。
目的3.翌日の行動計画を立てるため
その日の振り返りの結果を反映し、翌日の目標や、戦略の策定など行動計画を立てることができます。
営業日報を書くメリットとデメリット
ここでは、営業日報をつけることで得られるメリットと、課題(デメリット)を解説します。
メリット
営業担当者の行動評価ができる
営業日報で日々の活動が記録されることで、数字面だけでなく、成果が出やすいパターンや、相性のいい顧客の傾向などもわかるようになります。
また過去の記録から、営業担当者自身が成長を実感することができたり、管理職にとっても数字以外で評価できる部分が見えてきます。
情報共有ができる
日報を書く営業担当者が共有すべき情報を記載したり、管理職が営業担当者の個々のノウハウを共有したりできることもメリットの一つです。良い事例を部署全体で共有することで、組織としてのスキル向上につながります。
また、営業担当者だけが案件の情報を知っている状況を避け、管理職・部署内で案件を共有することで、担当者の不在時や、スキルによる属人化を防ぐこともできます。
備忘録として活用できる
日時だけでなく、金額に関することや、顧客との会話の中で重要なポイントなどを記録しておくことで、備忘録としても活用することができます。
また担当者の異動や、退職などで担当が変わったときや、他部門からの問い合わせがあった際にも、営業日報を確認することでスムーズに引き継ぎを行えるようになります。
デメリット(課題)
作成に時間がかかる
営業活動を行いながらの日報の作成は、時間がかかることから営業担当者にとって大きな負担となることもあります。必要以上に時間をかけないためにも、日報の形式をテンプレート化しておくことや、文章を箇条書きにし簡潔にまとめるなどし、負担を減らすことが必要です。
形骸化してしまう
営業日報を作成することが目的となってしまい、本来の目的を見失ってしまうこともデメリットといえます。
慣習の一つとして書くのではなく、メリットや目的をしっかりと理解して取り組むことで効果的な営業日報として活用できます。
フィードバックがないことによるモチベーション低下
営業担当者が書いた営業日報を管理職が確認しないことは、営業担当者のモチベーションの低下につながります。読まれないことが続くと、日報を書くことが無駄だと感じ、内容もおろそかになってしまうことが考えられます。
そうならないためにも、日報を書く際は管理職が確認する体制作りや、情報共有ツールとして、誰でも見ることのできる環境作りも大切です。
営業日報に必要な4つの項目
日報のデメリットでも解説したように、営業日報のフォーマットが定まっていないと、何を報告すればいいか迷ったりと作成に時間がかかる原因となります。そこで、あらかじめ管理したい内容をフォーマットに落とし込み、テンプレート化しておくことが大切です。ここでは、営業日報に必要な項目について確認していきましょう。
1. 業務内容
その日一日に取り組んだ業務内容や、実績を記載します。内容は具体的に短文や、箇条書きで簡潔にまとめて書きましょう。時系列順に業務内容を並べることで、読む人にわかりやすい日報となります。
2. 成果
その日の活動の結果、得られた成果を振り返ります。ここでは、行った業務内容や目標に対してどのような結果だったのか、数値で具体的に記載します。さらに、振り返ることで得られた気づきや、対応策なども記載すると良いでしょう。
3. 所感
所感ではその日の活動に対する反省点や、考え、知見を記載します。その日の活動に対して、結果が出せなかった場合、達成できなかった原因や、達成するための戦略などを記載しましょう。ここでは、日報を確認した管理職から的確なフィードバックをもらうためにも、具体的な記載を心がけましょう。
4. 翌日の目標
1日の成果を振り返り、所感で記載した反省点をもとに翌日に達成すべき目標を立てます。その際、成果が明確になるよう具体的な数値で記載することが効果的です。
営業日報の例文
ここでは、前述した4つの項目に沿って営業日報の例文をご紹介します。
- 今日の業務内容
- 9:00~ チームMTG
- 9:30~ メール対応
- 10:00~ 株式会社〇〇 2回目訪問
- 11:00~ 新規開拓 テレアポ30件
- 今日の成果
- ・株式会社〇〇 3回目商談獲得
- ・テレアポ30件に対し、アポ獲得目標1件のところアポ2件獲得
- 所感
- ・株式会社〇〇
- 今回の訪問で新機能をご紹介したところ、自社も候補に入れていただけた。候補に入れていただけたことで3回目商談獲得
- ・新規開拓テレアポではアポ2件獲得。事前に企業情報を詳しく調べていたことで、円滑に会話が進んだ。
- 翌日の目標
- ・株式会社〇〇の契約を獲得する
- ・テレアポで3件のアポイントを獲得する
営業日報の効率化にはツールの活用も
作成に時間がかかることや、日報作成や確認のためにわざわざ会社に戻らないと行けないことなど、手間がかかり面倒とされる営業日報ですが、ツールの活用により効率化することができます。
代表例であるSFAは、営業日報の入力機能があり、移動時間に日報を入力できるほか、データベース上に蓄積されるため、過去の日報の閲覧なども容易になります。
このように業務の負担を軽減するツールの導入は、営業業務の効率化には欠かせないツールと言えるでしょう。
まとめ:営業活動に成果をもたらす日報作成を心がけよう
効果的な営業日報を書くことは、営業の成果向上に貢献します。改めて日報を書く目的をしっかりと理解した上で、取り組みましょう。しかし日報の作成ばかりに時間を取られすぎて、本来の営業活動に支障が出るようでは本末転倒となってしまいます。
そこで効率的に作成を行うためにも営業日報のテンプレート化やツールを活用するなどし、作業時間を短縮することも日報を活用する際の重要なポイントとなります。