Webコンテンツを考える前にまずペルソナを考える

Webマーケティングを実施する際に大事な要素としてターゲットのペルソナを策定する必要があります。
しかし、BtoBマーケティングでもコンテンツマーケティングの流行と共に、「ペルソナ」という言葉だけが独り歩きをしている感もあります。本来の目的とメリットを再度考えるためにも「ペルソナ」について説明します。
ペルソナとは?
そもそも何かを売る場合は「誰に」売るのかを考える必要があります。この「誰に」の部分がいわゆる「ペルソナ」です。マーケティングにおいて、サービス・商品の典型的な ユーザー像を設定することで、どのように製品・サービスを打ち出すか、どのメディアを活用するかなどの検討がしやすくなります。
同じような意味を持つマーケティング用語として「ターゲティング」という言葉もありますが、ペルソナのほうがより細かく人物像を策定するという点で意味合いがやや異なっている点に注意しましょう。
ペルソナを策定すべき3つの理由
1.顧客(ユーザー)を深く理解できる
ペルソナを策定する上では、ユーザーインタビューやユーザー観察を繰り返し行う必要性がありますが、その中で顧客に対する理解が深まります。
また、実際の調査・データに基づいているため、各部門の主観的な意見や経験をまとめた「なんとなくのターゲット」よりも精度の高い理解ができるようになります。
ペルソナ策定のご支援を弊社でも何度かさせていただいた事がありますが、蓋を開けてみると、マーケティング部門が描いている顧客像と営業部門が描いている顧客像が異なっているというケースがありました。これでは、Webマーケティングの施策なんて決められませんよね?貴社でも是非一度、確認してみてください。
2.企業目線ではなく、ユーザー目線の発想がしやすくなる
「ユーザー目線」や「ユーザー視点」ということはよく言われます。しかし、言うは易し行うは難しで、企業はついつい自分たちの都合を優先し、自分たちが伝えたい情報ばかりを出してしまうものです。
Webサイトのユーザー調査をしてみると、売り手が訴求したいポイントばかりが記載されており、ユーザーが求めている情報が見つからないという結果が出る事も少なくありません。
顧客のことを理解すればするほど、抱える課題やニーズを鮮明にイメージできるようになるため、「製品導入にあたり、どんな情報を必要としているか」「本当に、このコンテンツを読みたいと思うか」といったように相手(顧客)を起点とした発想が生まれやすくなります。
3.意思決定が迅速になる
Webサイトリニューアルやコンテンツマーケティングのコンテンツを作成する場合、営業担当やマーケティング担当、経営陣など、複数の人と関わりながらプロジェクトを進めることになります。
もしその時、それぞれのメンバーがそれぞれの経験からイメージした「ターゲット」で話をしていると、意思決定に時間がかかってしまったり、伝えるべき内容が違ってしまう可能性があります。逆に、具体的な「ペルソナ」が決まっていれば、同じ顧客像をイメージしながら議論ができるため、判断に相違がなくなり、意思決定のスピードが上がります。
ペルソナ策定 5つのステップ
まずはペルソナ策定でどんな情報を考える必要があるかを見ていきます。
基本的に設定しておきたい情報は以下の通りです。
- ・年齢
- ・性別
- ・職業、役職
- ・業種、業態
- ・仕事上の役割
- ・抱えている課題や悩み
- ・仕事上でのゴール
- ・情報収集活動
- ・行動パターン
- ・趣味
次に、実際にペルソナを策定する、具体的な流れを見ていきましょう。
STEP1:顧客をいくつかのグループに分ける
既に保有している顧客情報などから、業種や企業規模・部署・役職などの属性情報を元にいくつかのグループに分けます。例えば、既存のお客様は「製造業」の「中小企業」が多く、その場合の決裁権者は「営業部門の責任者」である。というグループや、その他にも「大学」での導入実績が多くその場合の決裁権者は「情報システム担当」である。というグループを作っていきます。
STEP2:ペルソナを策定する
グループの中で優先順位を付け、もっとも優先順位が高いグループを選び、ペルソナを作成します。例えば、「大学」のグループよりも「製造業」のグループの方が存在している数が多いので優先順位が高い。といった具合です。
STEP3:ユーザー調査をする
ペルソナを作成するグループの顧客に関する情報を集めます。
ユーザーインタビューやユーザー調査がよく使われますが、アクセス解析データや一般に公開されている調査結果なども参照すると良いと思います。
STEP4:調査結果をまとめ、ペルソナを作成する
インタビューやユーザー調査の結果をまとめ、その中から代表的な行動パターン(検索時のキーワードや、商材の検討プロセス、検討する際に注視する情報 等)を抽出していき、ひとつの資料にまとめます。
STEP5:ペルソナを活用する
ペルソナが策定出来たら、そのペルソナを元にWebコンテンツの内容を見直します。BtoBの場合は、購買プロセスに複数人が関わるため、様々な階層・役職の人を想定するようにしましょう。
最後に
Webサイトのリニューアルやサービスサイトの立ち上げ時には、なるべく多くの情報をなるべく多くのユーザーに訴求したいと考える方が多いかもしれません。
ただ、考えてみてください。貴社のお客様になる可能性のないユーザーにいくら情報を訴求しても無駄ですし、貴社のお客様になる可能性の高いユーザーに、求められていない情報を多く訴求しても何の意味もありません。
当たり前の話ですが、大切なのは適切なユーザーに適切な情報を訴求する事です。「適切なユーザー」を決める事がペルソナ策定です。なんとなくでWebコンテンツを作成している様であれば、是非ペルソナを元にしたコンテンツ作成への転換をお勧めします。
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