セミナーの効果を高めるためにチェックしたいKPI(指標)と改善ポイント

新規見込み顧客の獲得や受注促進、既存のお客様のサービス活用促進など、様々な目的はあると思いますが、「セミナーを活用している」もしくは「これからやっていきたい」という企業は少なくないと思います。
この記事では、セミナーの効果を改善していくために見ていくべきKPIとその改善ポイントについてご紹介します。皆さまのセミナーの成果向上に向けて、少しでもお役に立てましたら幸いです。
セミナー開催に欠かせないKPIとKGI
まずは改めて、KPIとKGIについて確認しておきましょう。
KPIとは
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で重要業績評価指標のことです。最終目標であるKGI達成に向けたプロセスの中で設定する中間指標となります。
KGIとは
KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、重要目標達成指標です。成果を達成できているのかどうか判断するための指標として設定され、最終的なゴールとなります。セミナーでのKGIはセミナー開催の目的となることが多いでしょう。
KPIとKGIの違い
KGIが最終目標であるのに対し、KPIはその目標を達成するための中間目標です。さらにKGIは一つですが、KPIは複数設定されます。
KGIやKPIが設定されていない状況では、行っている施策がどの程度到達しているのか正しく評価することができません。そのため、振り返る指標となるKGIとKPIの設計が重要となるのです。指標の設定により進捗状況を把握し、施策が適切であるかどうかを測定することが可能となります。
セミナー開催の目的を整理しよう
効果の高いセミナーにする上でまず大切なのは、しっかりと目的を整理することです。
目的があいまいだったり、ターゲットが不明確なセミナーは、効果の高いものにはなりません。きちんとセミナー毎に目的とターゲット、期待する効果を明確にしてセミナーを開催しましょう。
主なセミナー開催の目的とKGI
一般的なセミナーの開催目的には、以下の4つあります。目的が明確になることで最適なKGIを設定できるでしょう。
セミナー開催目的 | KGI |
---|---|
新規見込み顧客の獲得 | 新規リード獲得数 |
見込み顧客のフォローアップ | MQL・SQLの獲得数 |
商品のプロモーション | 商談化件数 |
既存顧客への追加販売・満足度向上 | 追加商品販売数 |
KPIを設定しよう
セミナーの目的とKGIが決まったら、次はKPIを設定しましょう。目的やサービスによって見るべき指標やその適正な数字は異なりますので、自社で開催するセミナーの目的に沿って設定する必要があります。
KPI設定の参考になるよう、いくつか目的ごとに設定すべき項目と、その改善ポイントをご紹介します。
新規見込み顧客獲得のKPI【集客数】
新規リード獲得を目的とした際に重要なポイントのひとつが「集客」です。
- ・集客単価
- 費用をかけて集客する場合は、担当者の想定数値と希望の集客単価を元に、目標の集客単価を設定しましょう。目標を上回ってしまう場合は、「魅力ある訴求ができているか」、「参加したいと思える内容のセミナーか」という観点で改善してみましょう。
また「目的にあったターゲットにリーチできる施策(媒体)か」という点も見直してみましょう。 - ・配信数
- 集客をする際、メールを活用する企業も少なくないと思います。申込み率想定との兼ね合いにもなりますが、そもそもアプローチする母数が少なければ、目標の集客数を達成するのは難しいでしょう。配信母数を増やすような施策を行うか(展示会出展など)、もしくは外部媒体の活用・営業時のセミナー紹介など、ほかの集客施策も併せて実施するようにしましょう。
- ・申込み率
-
こちらもメール集客での指標になると思います。申込み率が目標に達していない場合は、以下のようなポイントを見直してみるとよいでしょう。
- ★メールの内容
- ・興味をひくタイトルか?(開封率)
- ・わかりやすくセミナー内容を伝えられているか?(クリック率)
- ★セミナーの開催概要
- ・参加したい、興味をひく内容か?
- ・参加しやすい日時や場所か?
商品のプロモーションのKPI【商談化件数】
商品プロモーションを目的としたセミナーの場合、商談化件数や成約数がKGIとなります。まずは、セミナー参加者のうち、どれだけ商談につながったかもきちんと把握するようにしましょう。
- セミナー内容の見直し
- 情報提供の色が強い内容であればあるほど、参加者は比較的多い傾向にありますが、検討度合いが低かったり、情報収集の方も多くなります。目的と成果に合わせて内容は適宜ブラッシュアップしていきましょう。
- 集客対象の属性の見直し
- 「実務担当が多く集まるセミナーより、決裁者クラスが集まるセミナーの方が商談につながる」、「製造業向けに限定したセミナーの方が成果が高い」など、内容とその対象によって、成果も大きく変わってきます。いろいろ工夫しながら、成果の高いセミナーにしていきましょう。
- 商談につながる工夫
- ただセミナーを開催するだけでなく、アンケートの実施や個別相談会など、商談につながるような工夫もしていきましょう。
ただし、セミナーには啓蒙的な側面もありますし、少し時間が経ってから商談になるケースもありますので、セミナーの目的や自社サービスの商談タームなどによっては、中長期的に効果を見ていく必要があります。
追加販売・満足度向上のKPI【満足度】
既存顧客向けのセミナーであれば、サービスの活用促進やリレーションの構築などが目的のひとつになることも多いと思います。その効果を測るためのKPIもいくつかご紹介します。
- アンケートの満足度
-
アンケートの満足度を指標にします。満足度の改善のためのポイントをいくつかご紹介します。
- ★アンケート内の要望を取り入れる
- アンケートに記載してある要望はできるだけ取り入れるようにしましょう。あまりアンケートに記載いただけない場合には、直接感想やご意見をいただきましょう。
- ★セミナーの内容を明確にする
- ぼんやりしたテーマだったり、事前に内容が不明確だったりすると、「思っていた内容と違った」と思う方が増えてしまうので、テーマや内容を明確にすることをお勧めします。
- 継続率/活用率
- セミナーに参加することで、サービスを活用してもらい継続してご利用いただくことが大切です。なかなか活用や継続につながらない場合も、お客様に直接意見をいただいて、サービス改善やセミナーテーマの参考にしましょう。
KPIとKGIを設定する際の注意点
ここまで検討すべきKGIやKPIを紹介してきましたが、実際に設定する際に注意しておきたいポイントについても確認しておきましょう。
具体的な数値で設定する
KPIを設定する際は、曖昧な目標とならないよう効果が測定できる具体的な数値で設定するようにしましょう。数値化できる明確なKPIを設定しておくことで、チーム全体としても同じ認識をもってゴールを目指すことができるでしょう。
現実的に達成できる数値にする
これまでの実績に対してKPIがあまりに乖離しているなど、達成が現実的ではない場合はチームとしてのモチベーションが上がらないでしょう。反対に簡単に到達できる数値であってもモチベーション低下につながることもあります。そこでKPIの設定は、現状を正しく把握し、現実的に達成できる数値を設定することが大切です。
また、KPIは一つではなく複数設定することが一般的ですが、あまりに多すぎるKPIは、KGIの達成が難しくなってしまうこともあります。そこでまずは、チームとして取り組むことのできる適切な数でKPIを設定しましょう。
整合性のあるKPIとKGIを設定する
KPIとKGIは整合性のあるものを設定しましょう。KPIとは、KGIを達成するために必ず到達する必要のある中間目標となります。そのためKGIと関連性のないKPIの設定は、KGIの達成から遠ざかってしまうだけでなく、部門間の認識のズレにもつながってしまいます。
そこで設定の際には、「このKPIを達成することでKGIに到達することができるのか」整合性を意識して設定しましょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか?セミナーを実施している企業もたくさんいらっしゃると思いますが、なかなか評価や改善につなげるのが難しいという点もあると思います。もちろん状況によって適切な目的やKPI、打ち手も変わってくるとは思いますが、少しでも参考にしていただければと思います。
また、継続的にセミナーの開催と改善をおこなう中で、目的やKPI自体が適正かどうか、定期的に見直すこともおすすめします。
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