「フワッと商談」を無くせ!商談現場で次回アクションを明確にする方法

新人が陥りやすい「フワッと商談」とは?
営業の方であれば、新人時代に「商談は良い雰囲気で終わったが"なぜか"ご発注には至らなかった」という経験をしたことがあるのではないでしょうか。一方、メンバーを持つマネージャー層であれば、メンバーから「お客様にも良いと言って頂けたのでたぶんご発注頂けると思います!」という報告を受けたものの、なかなかご発注頂けず、また、なぜご発注頂けないかの明確な理由も分からないままうやむやになってしまうという経験をしたこともあると思います。
このように、お客様は良いと言っているのに、明確な理由が分からずなかなかご発注を頂けない商談を、筆者は「フワッと商談」と呼んでいます。今回は、この「フワッと商談」を無くすために、今日から始められる簡単なフレームワークについてお伝えします。
「フワッと商談」が生まれてしまう背景
ところで、どうしてこのような「フワッと商談」が生まれてしまうのか。この背景には、お客様の「良いですね」という言葉に対する営業の受け止め方に問題があることが多いと思われます。
当たり前のことですが、法人営業ではお会いした方の意思のみで製品・サービスの導入が決まるわけではありません。多くの場合「上長へ共有 ⇒ 社内稟議 ⇒ ご発注」という流れを辿りますので、お会いした方の「良いですね」は、ご発注への第一歩にすぎません。したがって、ベテラン営業であればお客様の「良いですね」という言葉を聞けた時ほど、「次回アクションの内容」や「何が良いのか」について慎重になるはずです。しかし、営業経験の少ない新人は、自分の提案に対してお客様に共感して頂けたことに一喜一憂しがちですので、時に「良いですね」を「ご発注の意思表示」と捉えてしまうことが多々あります。(実際に私も新人時代このような経験を沢山してきました。)
このように、『「お客様の良いですね」と「ご発注の意思表示」は全く別次元のもの』という考え方への理解度の差が、「フワッと商談」を生み出す理由の1つとして挙げられます。
「フワッと商談」の問題点
ご発注を頂くにはお客様の状況にも左右されますので、ご発注に至らないからといってすべてが営業のスキル不足というわけでは勿論ありません。着目すべきは「"なぜか"ご発注には至らなかった」という商談です。
ご発注に至らない理由が分からなければ、営業本人として次回アプローチすべきタイミングは分かりませんし、営業マネージャーとしても"なぜか"が分からなければ、適切なアドバイスをすることも難しくなります。これらは営業個々人としても、営業チームとしても、望ましい状況ではありません。また、次回アプローチタイミングが曖昧であれば、無駄なアクションをすることにもなってしまい、営業効率はどんどん悪くなっていってしまいます。
新人でもできる!次回アプローチの確認を通じて「フワッと商談」を無くす方法
さて、「フワッと商談」現象を解決するためには、どうしたらいいのでしょうか。もちろんお客様の状況を把握するヒアリングスキルの向上や、コミュニケーションスキルの向上も重要ですが、これらは経験を積み重ねなければなかなか習得できないスキルでもあるので、新人営業がすぐ実践するのは難しい面もあります。
そこで、新人にもでき、さらにマネージャー層の確認方法としても有効なのが、今回お伝えしたい次回アクションを明確にするフレームワーク「誰に/いつ/何を」です。
フレームワーク:「いつ/誰に/何を」とは?
先程記載した通り、法人営業のご提案は多くの場合「上長へ共有 ⇒ 社内稟議 ⇒ ご発注」という流れを辿りますので、商談が内容を「誰に」、「いつ」、「何を」共有頂けるかの共通認識をとっておくことは、次回アクションを決める上で非常に重要な情報になります。
◇いつ?
ご提案内容をいつ社内で共有頂けるかの確認を指します。これによって社内共有の結果をお伺いする次回アプローチ時期が明確になります。
◇誰に?
ここでいう「誰に」は「決裁者(キーマン)」を意味しますので、決裁者が誰なのか(どんなレイヤーの方なのか)の確認を指します。さらに、決裁者とは定常的なコミュニケーションがあるのかなどの情報も確認しておくことが望ましいです。
◇何を?
ご発注に向けて確認すべき重要項目を指します。上長の同意を得ることが目的であればご提案内容への感触を、予算がボトルネックになりそうであれば予算感の確認を、といったように具体的に確認内容を提示することが重要です。
このように「いつ/誰に/どのように」の確認をしておけば、商談後のアクションの際に具体的な質問をお客様にすることができるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回ご紹介したフレームワーク「いつ/誰に/どのように」は、非常に簡単で効果も大きいので、是非皆さんも試してみてください。また、今日では"過去に商談をした相手がWebサイトを閲覧していることが分かるツールも登場していますので、こういったツールを使って次回アクションを明確にするのも1つの手かもしれません。
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