商談の事前準備で営業担当者がすべきこと【成功のカギは商談前にあり!】

さまざまな会社に訪問して製品/サービスを提案するなら、商談前の事前準備は欠かせませんよね。知らない業界の会社と商談する場合であれば、特にじっくりと時間をかけて準備をすることもあるのではないでしょうか。
ただ、事前準備のチェック項目のとおりに万全に準備をしていても、なかなか商談に活かせない、と感じることはありませんか?その原因は、「事前準備のタイミング」と「意識するポイント」が間違っていることにあるのかもしれません。
せっかく準備をするのであれば、商談に活かせて成約に繋がるような準備をして、商談を双方にとって有意義な時間にしていきませんか?そこで、今回は商談の事前準備を始めるタイミングと意識するポイントについて、一緒に考えていきましょう。
事前準備が商談の成功率を左右する!
自社の製品/サービスを魅力的に伝えることが求められる商談ですが、なかなかうまくいかない人が多いのも事実です。うまくいかない理由として、伝える力が不足していることも挙げられますが、準備不足のまま商談に臨んでしまうことの方が大きな理由になっているのではないでしょうか。
サーブコープジャパン株式会社が営業300人に実施したアンケートによると、以下のように回答が集まっています。
- Q1)商談準備をどの程度できていると思いますか?
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- ・普段は十分な準備ができているが、準備不足のときがある:47.7%
- ・十分な準備ができているときと、準備不足のときが半々程度:27.0%
- ・いつも十分な準備ができている:16.7%
- ・ほとんど準備できていない:8.7%
- Q2)事前の準備が十分にできない理由は?
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- ・忙しく、事前準備の時間がつくれない:32.8%
- ・クライアントへの仕事に関するヒアリング不足:32.0%
- ・事前の資料作りに時間がかかる:23.2%
- ・その他:75.2%
出典:【営業300人に聞きました!】プレゼンや商談の勝率は、事前準備で決まる!準備を十分に行う人の7割が成功と回答|サーブコーブジャパン
「いつも十分な準備ができている」人は16.7%、「忙しかったり資料作りに時間がかかったりして準備が十分にできていない」人は56.0%と、商談準備に苦戦している方が多いことが分かります。
また、準備がしっかりできている人ほど、商談の成功率が高くなることも示されています。十分な準備ができていると、72.0%の確率で成功するというのです。
つまり、事前準備のクオリティによっては、商談をしても意味のない時間になってしまうことも考えられます。どうせ準備をするのであれば、効率よく、かつ、商談に活かせる準備をしたいですよね。
アポイント獲得!事前準備はいつ始める?
さて、商談準備の必要性が改めて分かったところで、少し考えてみてください。あなたの次の商談日は一週間後です。いつから商談の事前準備を始めますか?
事前に調べても忘れてしまうからと、商談直前に調べ始めますか。それとも、アポイントを取得したタイミングから、コツコツと情報収集をして、資料を作成していきますか。
「いかに商談に活かせる準備をするか」という点を踏まえると、後者が理想的です。その理由とともに、押さえるポイントを2点見ていきましょう。
事前準備はアポイント取得から
アポイントを取るために電話をしたのであれば、その電話中に得られたヒアリング情報をまとめましょう。忘れないうちに、アポイントを取得してすぐにメモに書き起こすことが重要です。
なぜこの工程が大切なのでしょうか。商談準備において、自社の製品/サービスの特徴、それを活用することで得られるメリットなど、魅力をどう伝えるかというシナリオを考えることは大切な準備の一つです。ただ、「相手にとって有意義な商談」をするためには、相手の課題を想定していき、その課題を解決できることを伝える準備が必要なのです。
そのため、相手の課題を予測するための情報として、電話中に相手が漏らした数々のヒントを活かさない手はありません。事細かくメモをして、その言葉の背景には何が起こっているのか、相手が抱えている課題を考えてみましょう。
アポイント前日まで情報収集
ヒアリング情報を元に、ある程度相手の課題を仮説立てることができれば、あとは商談当日まで情報収集をし、想定課題の精度を高めていくことが大切です。相手が今実施しているであろう営業戦略や、現在抱えている戦略上の課題について深掘るのです。
事業領域や事業規模、IR情報をチェックしたり、市場におけるシェアやポジション、競合他社との力関係や特徴を調べてみたりと、さまざまなアプローチがあります。また、経営者やキーマンがSNSやブログ、経済情報誌などで意見を発表していれば、そこから趣味や嗜好・価値観などを読み取ることもできるかもしれません。
こうした情報収集を経て固まった想定課題に対して、自社の製品/サービスによる解決策や同業他社の成功事例を準備しましょう。もし想定していった課題が、相手が抱えている課題と同じだった場合、そのあとの製品/サービスの提案や事例の紹介の流れをある程度考えることもできますので、準備が万全に整えばよりスムーズに商談が進みそうですね。
商談の事前準備のチェック項目とフレームワークについては、以下の記事をご覧ください。
◯◯を意識するとぐっと商談に役立つ準備に!
商談の事前準備の重要性と、事前準備を始めるタイミングはご理解いただけましたでしょうか。アポイントを取得したときから事前準備は始まっているのです。
早めの準備に取り掛かりながら、「意識したいポイント」を押さえることができると、さらに商談に活きる事前準備になります。以下の3つの観点から、一緒に考えてみましょう。
- 1.相手が何を欲しているのか
- 商談とは、自社製品/サービスの魅力を伝えながら、「相手の課題を解決するための場」です。ということは、相手は何を課題と認識していて、何を必要としているのかを見極めることができれば、充実した商談になりますね。
先ほどご説明した、ヒアリング情報から相手の課題を想定することが、「相手が何を欲しているのか」を考える第一歩です。ぜひ、これからは「相手の課題の仮説を立てる」ことを事前準備の必須項目としてみてください。
- 2.なぜその解決策を必要としているのか
- 電話中や商談中に、相手から「こういう製品/サービスを探しているんだよね」と言われることがあると思います。あなたはその背景を考えたことはありますか?
相手が発した言葉を分析すると、課題を正確に認知できていてその解決策を探している場合もあれば、課題の解決策を誤認したままで解決策を探している場合もあります。そのため、「なぜその解決策を必要としているのか」をもう一度考えることが必要です。
- 3.自社がどう役に立てるのか
- 「なぜその解決策を必要としているのか」を考えた上で、自社の製品/サービスであれば、どのように活用して解決できるのかを明確にしましょう。その際には、競合の製品/サービスとの違いや、他社の活用事例など、自社の製品/サービスが役に立つという証拠を揃える必要がありますね。
相手の想定課題を掴み、必要な解決策も分かれば、商談中に相手が気になるポイントも分かると思います。相手から質問されそうな内容も予測し、あらかじめ回答できるように準備するのもよいですね。
以上の3つに共有するポイントは「相手への貢献意識」です。商談の事前準備から、「相手の役に立つ提案をする」ことを意識していれば、より商談にも活かせる準備になりますよ。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
商談の事前準備では、アポイントを取得したタイミングから商談当日まで、相手の想定課題を考えた情報収集や提案内容の組み立てなどが大切です。それぞれの過程で、常に「相手の抱えている課題は何か?」「自社製品/サービスでその課題を解決できるのか?」を考え続けていきましょう!
相手が製品/サービスのどこに興味があるのか、Web上で解析できるツールも出てきていますので、そのようなマーケティングツールを活用してみるのもよいかもしれませんね。
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